ドコモ、4G向け1Gbpsの伝送実験に成功

» 2004年12月17日 16時15分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 NTTドコモは12月17日、第4世代携帯電話(4G)向けの実験装置を用いた屋内実験で、下り最大1Gbpsのリアルタイム信号伝送実験に成功したと発表した。

 これまで、ドコモは高速移動環境での100Mbps伝送実験を屋外で成功させており(2002年10月9日の記事参照)、今回の1Gbps伝送実験は「人が歩行する程度のスピード」の低速移動時を想定したものとなる。

4アンテナ利用のMIMOを採用

 実験で用いた無線通信方式は「VSF-Spread OFDM」方式。100Mbps伝送実験では、CDMA技術を応用した「VSF-OFCDM」(可変拡散率直交周波数・符号分割多重)と「基本的には同じ技術」(ドコモ)だが、OFCDMが主にコード多重を用いているのに対し、Spread OFDMでは主に時間多重(TDM)を使っている。両方式とも、拡散率を可変(VSF:Variable Spreading Factor)させることで環境に適した通信を可能とする(2002年3月18日の記事参照)

 両実験とも、利用した周波数幅は100MHz幅。帯域は、総務省が4G向けに割り当てを想定している5G〜6GHz以下を使った。

 実験装置は、4つの送信アンテナと4つの受信アンテナを用いたMIMO多重技術を採用した。MIMO(Multiple-Input-Multiple-Output)は、複数のアンテナから異なる情報を同周波数で送信し、空間的に多重化することで伝送容量を上げる技術。無線LAN(IEEE802.11n)などで採用が予定されており、4Gの基礎技術としても注目されている(8月11日の記事参照)

 実験装置では、4つの受信アンテナで受信した信号の分離法として最も性能の高い最尤判定法(MLD)を用いた。従来の課題だった処理量を独自の方式で1900分の1に低減した。また、1Gbpsの信号伝送に必要な受信電波強度を10分の1程度に低減できるという。

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