榎氏がもらした「4G」の不透明さ

» 2004年11月20日 06時18分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 通信インフラをHSDPAによって高速化させ、さらに4Gへの移行をにらむドコモ(7月23日の記事参照)。しかし、4Gへの道のりはまだ不確定要素も多いようだ。

 11月19日、都内で開催されたACCESS主催のカンファレンス「ACCESS DAY 2004」のパネルディスカッションに、ドコモの常務取締役 プロダクト&サービス本部 本部長、榎啓一氏が登場。今後の展望について話した。

4Gは本当にくるのか?

 パネルディスカッションでは、携帯の進化の道筋や、この後どんなデバイスが登場するかが話し合われた。榎氏が率直な意見を述べたのは、未来の通信インフラに話がおよんだとき。「私は技術者でないので、詳しいことは分からない」と前置きしつつ、以下のように話す。

 「『第4世代携帯』というのは、本当に生まれるのか? ――と話したりしている」

 ここにきて通信業界では、携帯と無線LANの融合が進み始めている。IEEE 802.11bのような、“免許のいらない通信方式”でVoIPを行う可能性も盛んに模索されている。あるいは、IEEE 802.16a(WiMAX)のように、新しい通信方式が携帯と競合するのではとも話題になっている。

 「(P2P電話の)『スカイプ』のような技術もある(10月26日の記事参照)。ネットにつながればいいじゃないか、となるかもしれない」。極論すれば、データ通信デバイスがVoIPアプリケーションを搭載しただけで「たちまち携帯に化ける」可能性があるわけだ。

 「もちろん、(オープンなインターネットを使う以上)品質保証の問題はある。解決すべき問題はあるのだろうが……」

 このように通信技術が大きく変化する中では、キャリアとしてどのような通信インフラを構築すべきなのか、いわゆる「4G」で本当にいいのか。そこに確信が持てないでいるようだ。

 「3Gから3.5G(=HSDPA)へ移行して、そこから向こうはW-CDMAグループとしても“さて、どっちに行くか”と考えている。全部の通信方式を研究するわけにもいかない」

 ドコモは、既にHSDPA導入後のスケジュールを示している。OFDMを使って30〜100Mbpsの通信速度を持つ「スーパー3G」を導入し、その後2010年をめどに下り最大100Mbpsを誇る「4G」の実用化を目指す、というのがそれだ(8月11日の記事参照)。しかし、このスケジュール通りにことが運ぶかどうか、よく注意したほうがいい。そんな榎氏のスタンスを感じさせた。

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