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» 2005年12月29日 00時38分 UPDATE

2005年の携帯業界を振り返る(2):どうなる、携帯のビジネス利用 (1/4)

通信ジャーナリストの神尾寿氏とITmedia+Dモバイルの斎藤編集長が2005年の携帯電話業界を振り返る年末対談企画。第2回のテーマは「携帯のビジネス利用」と「新規参入」。2人が言いたい放題で、このテーマに斬り込む。

[聞き手:房野麻子,ITmedia]

ITmedia ビジネスケータイというジャンルができて、「ビジネスFOMA M1000」という商品も出ました。iモードなしのFOMAというのもアリなんだ、というのが新しかったと思います。

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ビジネスFOMA「M1000」

斎藤 M1000って、iモードが付かなかったから「ビジネスFOMA」なんですよね。

神尾 そうです。それと商品企画をやっている部門が違うんですよ。ただ、今後はとりあえず海外メーカーも極力iモードを載せるという方針らしいですね。

斎藤 ドコモは無理してiモードを載せ過ぎなんじゃないでしょうか。端末性能がプアだったケータイインターネット黎明期のiモードの功績に疑う点はありません。しかし、通話と同じように最低限なくてはならない機能なのかというと、案外そうじゃないかもしれない、という気が最近しています。

 iモード契約者の5割が有料コンテンツを使っていない、というデータもありますし、メールはプッシュサービスさえ実現できれば、別にiモードだろうがPOPだろうが、もうはっきりいってどちらでもいい。メールができないのは非現実的ですが、別にSMSでもかまわないわけです。iモードブラウザはもっとフルブラウザ化していってもいいのかもしれない。cHTMLは既に本質ではないので。このあたりは、昔あったiモードオープン化の議論の再来とも言えますが。

神尾 うーん、iモードに限れば、ビジネスユーザーにもメリットのあるコンテンツもあるので、私はiモードそのものは否定しない。しかし、ビジネスユーザーが使いやすいようにポータルの部分はコンシューマー向けと分けていいと考えています。iアプリもそうですが、利用率を高めるために膨らみすぎたコンテンツを整理して、ユーザーのニーズごとに使いやすくする必要はあると感じています。キッズiモードのように、ビジネスiモードみたいなポータルがあってもいいわけです。

 ところで、「ビジネスFOMA」っていう視点でビジネスケータイを論じるのは難しいので、ビジネスケータイってなんだろうって話にしましょうよ。

斎藤 もともと携帯電話はビジネスで使われていたものなのに、この5年くらいで、ひたすら中高生の方ばかり向いて作るようになってしまった。デザインまで中高生に向けて作り始めてしまい、ちょっと歪んできたというのを、みんな認識しているのが今ですよね。それで、大人向けやビジネスマン向けの端末に路線が帰ってきた。その流れの1つが「ビジネスケータイ」なのだと思います。もっと広いセグメントを狙うということでもあるし、元々のコンセプトへの回帰ということでもあると思います。

ITmedia 「DOLCE」「prosolid II」という端末も出ました。

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左がprosolid II、右がDOLCE

神尾 商品企画にもトレンドがあって、1999年から2002年くらいまでのトレンドで、ちょっといびつになってしまった部分の揺り戻しが今、「ビジネス」ということに来ているんでしょうね。auは未だに若年層のコンシューマー重視ですが、ドコモは確実にビジネスユーザーやコンテンツ利用率の低いユーザーの方も見始めた。

 斎藤さんの意見にちょっと補足すると、ドコモが今すごく気にしているのが、結局法人ビジネス向けに携帯電話を売っても、電話契約しか取れないということなんです。音声以外の部分でのニーズが、なかなか立ち上がらない。これはどのキャリアも一緒なんです。'99年以降、コンテンツなどデータサービスをがんばって作ったけれど、ビジネスでどれだけ使われているかというと、ほとんど使えるものにはなっていない。一部の先進的な企業を除けば、ビジネス利用の中心は「通話」。それにメールが少しだけ使われているかな、という状況です。ビジネスでのサービスやアプリケーションの多様化は、もしかしたら海外に負けているかもしれない、っていう危機感が出始めています。

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