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» 2006年06月12日 20時04分 UPDATE

ドコモ夏野氏と楽天三木谷氏が語る「モバイル市場の今」

モバイル市場は今、どうなっているのか。NTTドコモの夏野剛氏、楽天の三木谷社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブの増田社長という、豪華な顔ぶれに聞いてみよう。

[杉浦正武,ITmedia]

 6月12日、都内で「モバイル マーケティング カンファレンス 2006」が開催された。「モバイルビジネス革新の戦略」と題されたパネルディスカッションには、NTTドコモ執行役員の夏野剛氏、楽天の三木谷浩史社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の増田宗昭社長と豪華な顔ぶれが揃った。

 各業界を代表するビジネスリーダーたちが、“モバイル市場”をどうとらえているか聞いてみよう。

ツタヤで携帯が活躍する瞬間とは

ms_mikitani.jpg 楽天の三木谷氏

 三木谷氏は、楽天に参加する店舗の中でも携帯ショッピングに成功するところが出てきていると紹介する(2005年6月6日の記事参照)。例えば「サルース・ナチュラル・ビューティー」は携帯ショッピングのコアユーザーである若い女性にターゲットを絞ることで、急成長を果たした。2006年5月の売上で見ると、楽天市場での月商は3600万円だが、うちモバイルからの売上が1350万円を占めるという。

 「10代がネットショッピングをするとは、という印象だ。別の店舗ではソファを3日間の限定セールで1200個販売するなど、ファッションだけでなく『大きなもの』(=インテリア寝具)も売れている」

 事前に想定したのは“出先で移動中などに利用するユーザー”だったが、実際には深夜帯での利用が多かった。多くのユーザーが出先ではなく、居間で利用していると考えられるなど、新しい発見が多かったようだ。

ms_natuno.jpg ドコモの夏野氏

 これに続けてドコモの夏野氏は、携帯は夜にトラフィックのピークが来るとコメント。移動中だけでなく、PCも利用するユーザーが「ちょっとネット接続したい」「すぐスタンバイできる端末で購入したい」という機会に利用しているという。

 「(携帯を)もっと簡単に、もっと使いやすいインフラにしないといけない。ショッピングというものは最高のエンタテインメントだと思っている。モノを買うのは楽しいし、家で梱包を開けるときも楽しいし、使っていても楽しい。最近は世の中が豊かになって、『生活のための買い物』というのではなく、『そのとき買わなかったら終わり』という“一期一会”の買い物が多くなってきた。ケータイクレジットで、思いついたらすぐ買えるようにして、商機を逃さないようにする」

ms_masuda.jpg CCCの増田氏

 CCCの増田氏は、ツタヤと携帯を連動させる取り組みとして、例えばTSUTAYA onlineがあると話す。2006年3月末時点で872万会員がおり、これは対前年比で204万人増えているという。

 一方で、現場の人間に「ツタヤで携帯のどんなところが役立っているか」と尋ねると、バイトのシフト管理に役立っている……という答えが返ってきたとも紹介する。

 「ツタヤには、多い店では何百人というバイトがいる。何月何日にバイトに入るのか、携帯で調整できる。店長もPCを叩いて、例えばお盆などのバイトが集まらない日に『時給を上げるから頼むよ』と一斉に同報メールを送ることもある」。いわゆる顧客向けのマーケティングとは少し異なるが、これも一種の“経営ソリューション”として携帯が活用されている例だと紹介した。

携帯で「脳内シェアをとる」

 三木谷氏は、携帯によってモバイル市場は拡大すると話す。常にユーザーのそばにある携帯を通じてオンラインの店舗とつながることで、「(ユーザーに)接触できない時間をなくす。私がそうしているというわけではないが、それこそトイレの中ででも接触できる」。

 三木谷氏は、いつも携帯を通じてものを買えると思わせることを「消費者の脳内シェアをとる」と表現する。

 増田氏は、これからのビジネスに携帯は欠かせないものであり、活用するのが当たり前だと説く。最近ではネットの普及により、いわゆる「ロングテール」が注目されるようになってきた。ロングテールとは、売上数の少ないニッチな商品から上げられる収益を指す言葉。従来、リアルの世界で営業をしてきた事業者は「ベストセラーの商品から上げられる収益」を重視する必要があったが、ネット時代にはロングテールも注目に値するようになっており、またそこに着目すべきとされる。

 「ロングテール(を重視したビジネス)なんてITでしかできないし、モバイルを外しては実現できない」

 夏野氏は、モバイルをマーケティングに活用する動きがまだ不十分ではないかとの問いに、こう答える。「ネット広告は、PCが普及した後に盛り上がった。iモードの広告も、iモードがブレイクして世の中に受け入れられてから、“遅れ気味”にマーケティングツールとして使われだした」

 夏野氏は、ドコモという会社はマーケティングが下手だと考えていると話す。そんな我々がいうのも何だが、と前置きして「もっともっといろんなやり方で携帯をマーケティングに活用してほしい」と呼びかけた。

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