W44Sには「AND1バスケ(お試し版)」という横画面専用のバスケットボールゲームがプリインストールされる。ディスプレイを横に開き、左手で十字キー、右手でボタン操作が行える、よくある家庭用携帯ゲーム機のようなスタイルでゲームを楽しめるのが大きな特徴となっている。
「W44Sの“AND1バスケ”は本機専用のものとなっています。よくある携帯ゲームアプリはたいてい縦長用としてつくられています。なぜ縦なんだろうと以前から思っていたところで、このW44Sの“モバイルシアタースタイル”の概念とぴったり同調しました。AND1バスケの開発元であるゲームロフトさんにお願いしたところ、これは面白そうということで作ってもらえることになりました。もともとは240×240ピクセル表示の縦位置でプレイするゲームですが、アスペクト比16:9の横位置で楽しめるようになっています」(藤原氏)
「試作版ができあがって、標準バージョンとなる正方形表示(縦位置)の同タイトルとやり比べると、楽しさがまるで違いました。より“はまれる”ようになっていると思います。デュアルオープンスタイルにすることで、ワンセグやラジオ、PCサイト/ドキュメントビューアだけでなく、ゲームでもこのような形で楽しめるのです」(同上)
ここは、ディスプレイだけ横になる他社携帯の横位置スタイルとは異なるW44Sの特徴が大きく生きてくると思える部分だ。
画面と操作系だけでなく、横位置に構えることで左右のスピーカーが効果的に機能するようになっている本機は“音”の要素でもメリットがある。例えば「AND1バスケ」のようなスポーツ系や、複雑な操作を行うアクション・格闘系ゲームは横画面などに特に向いているのではないだろうか。横位置表示+横操作スタイルの携帯ゲームアプリは、ゲームロフトをはじめ、ほかのコンテンツプロバイダから登場することにも大いに期待したい。
ワンセグや国内初となるデジタルラジオ機能を搭載し、特徴的なヒンジと縦/横どちらにも開ける“デュアルオープンスタイル”を実現したことにより、ハイエンドで、よりAV志向が強い印象を受けるW44S。しかし、あくまでも携帯であり、通話・メール・Web・カメラという、もはや必須となる機能のできや使い勝手も重要だ。その答えは本機のキャッチコピーである「それでも、人は、ケータイと呼ぶ。」に込められている。
「モバイルシアタースタイルや新機能もそうですが、携帯電話である、ということをそもそもの大前提として企画しました。例えばEZ FeliCaのほか、AF付きの317万画素カメラを実装し、BestPicという弊社独自の機能も搭載しました(同じくBestPic機能を搭載する「SO903i」カメラレビューを参照)。また、au携帯では特にニーズの高い音楽機能もW43Sのそれを継承しています」(藤原氏)
W44Sは、auの新機能となる“デコレーションメール”にも対応する。デコレーションメールは背景や文字サイズ/色/動き、画像などを自由にアレンジしたメールを作成できる機能。キャリアによって若干の違いがある絵文字も画像データとして配置することで、意図した通りの絵文字入りメールを送れるメリットもある。このため、どうしても若い女性向けとなるポップ/カワイイ系のコンテンツが多い傾向だったという。
「W44Sの想定ターゲットは、20代から40代の感度の高い──ワンセグ、デジタルラジオや音楽などのAV系や新機能に敏感なユーザーがメインになると思っています。そういったユーザーに、例えばかわいい素材ばかりでいいのか。W44Sにプリインストールするデコレーションメール素材はここにワンポイントのこだわりを含めました。“ちょっとくすっと笑うような”テンプレートなどを含めて、計24種類を意図して入れています」(藤原氏)
ちなみに同社ユーザー向けの携帯サイト「SonyEricsson@ez」でプリインストール以外の新作素材などもダウンロードできるようになっている。
「売り切って終わりではなく、ユーザー向けサイトでコンテンツやサービスを多数用意し、買ってからしばらく経っても飽きないような、ずっと使いたいと思ってもらえるような取り組みを今後もしていきます」(藤原氏)
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