「POBox Pro」──ソニー・エリクソン・モバイル製端末に搭載する日本語入力システムの使いやすさにも最近、特に評価が高まっている。W44Sの日本語入力システムは、W43Sのそれを継承した。
「例えば“あい(愛)”と入力したいとき、普通は[1]キーでまず“あ”を入力し、カーソルを右に移動させてから“い”と入れます。対してPOBox Proは“あ”を入力し、少し待ったらカーソルが自動的に右に移動するようになっています」(平澤氏)
「もう1つ、小文字“っ”などの入力も[4]キーを何回か連打して目的の文字を探すののではなく、キーを押しっぱなしにすることでトグルして回るようになっています。ちなみにこの“自動移動”の待ち時間や長押し時のリピート間隔などは幅広くカスタマイズできます」(同上)
同社の開発陣はもちろん自社端末を普段も使用しているわけだが、たまに異なる日本語入力システムで文字入力を行うと、“自動移動”してくれないことに戸惑うという。
W44Sの待受画面には、最新ニュースや天気情報を配信する「EZニュースフラッシュ」のほか、スケジュールの通知、メモの表示、そして時計やカレンダーなど、かなり多くの情報を表示できる。また、EZニュースフラッシュのティッカーにフォーカスを合わせると、そのほかの最新ニュース一覧などが閲覧できるアプリが起動する仕組みも備わる。
しかし、その機能を搭載したために、従来機で上下キーにスケジュールやデータフォルダが割り当てられていた機能がなくなってしまった……のだろうか。
「いえいえ。ワンプッシュで直接起動はできなくなってしまいましたが、“隠し機能”……といってもマニュアルには記載してありますが、上キー長押しで“スケジュール”、下キー長押しで“データフォルダ”が起動するようになっています」(平澤氏)
「また、待受画面には家族やペットなどの写真を貼るユーザーも非常に多いですよね。写真をじっくり見たい場合は、[クリア]キーで背景写真のみに切り替える機能も備わっています。このあたりも、先ほど述べた“2面性”のコンセプトに通じるところです」(同上)
デザインやワンセグ、デジタルラジオなどの最新機能を中心とする“カタログで大きく謳う”べき機能のほかに、さらに“グッ”と来させる仕掛けや思い入れを盛り込んで生まれたW44S。強烈なインパクトのある本機のデザインは評価が見事に2つに分かれているが、これをポジティブに思うユーザーにとってはさらに好ましいと思える“中身”も用意した。
実際に使うと、横位置のスタイルやUIにもう少し工夫があればと思える部分も確かにあるが(例えばカメラのUIやEZチャンネルプラスの配信映像が横位置で視聴できないなど)、この“デュアルオープンスタイル”は携帯の新たな可能性もいくつか示唆しているといえる。今後も“デュアルオープンスタイル”を継承するのか、それともほかの新たなスタイルで登場するのか。同社が今後投入する端末はどのように進化していくのだろうか。
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