“あのヒンジ”に込めた思い──「W44S」はなぜあのようなデザインなのか開発陣に聞く「W44S」(デザイン編)(1/3 ページ)

» 2006年12月08日 00時39分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo (左から)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ W44S製品企画総合担当の藤原氏、機構設計担当の金田氏、UI開発担当の平澤氏、アプリケーション担当の曽原氏

 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが出した横位置視聴スタイルへの提案、それが「デュアルオープンスタイル」である。

 au向けハイエンド端末として投入する「W44S」。本格放送が始まったデジタルラジオに対応する初めての端末として、そして昨今、強く望まれる付加機能の1つであるワンセグと携帯用ディスプレイとして最大級となる3インチワイド液晶を搭載。12月8日より順次発売する。

 さて、ワンセグ搭載の端末においては、放送を横位置/フルスクリーンで視聴できる仕組みを各社さまざまなアプローチで取り組んでいる。例えばケータイスタイルのままディスプレイを90度傾けられるサイクロイド機構を採用するシャープ製端末(アクオスケータイ)、回転2軸ボディと横位置でやや前方に傾けて固定可能な卓上ホルダを用意する日立製作所製端末(W43H)、ディスプレイを逆L字に90度傾けるパナソニック モバイル製端末(P901iTV、P903iTV)、横位置に設置できる卓上ホルダやコインを差してスタンド代わりにできる三菱電機製端末(D903iTV)などがある。

 そんな中、ソニー・エリクソン・モバイルは既存のワンセグ端末が採用する仕組みとは異なる形で横位置スタイルを楽しめる答えを出した。ディスプレイを縦/横どちらへも開ける機構「デュアルオープンスタイル」だ。

 端末を縦に開くと慣れ親しんだ“ケータイスタイル”で、横に開くと横長のワイド画面で映像を楽しめるようになっている。同社はこれを“モバイルシアタースタイル”と呼んでいる。


photophoto 「デュアルオープンスタイル」を採用したW44S。ディスプレイは縦/横どちらへも開ける

 これらをふまえて、W44Sはどう行ったポジションを目指したのか、このデザインにどのような意図が込められているのか、ソニー・エリクソン・モバイル W44S開発チームに話を聞いた。

2面性の表現──あえて際だたせた、あのパーツ

photo カラーラインアップは3色。上からSilver、Black、Olive

 縦にも横にも端末が開く“モバイルシアタースタイル”。この仕組みの実現に不可欠だったのが、縦開き/横開き双方に対応する「ヒンジ」だ。通常の端末ではありえなかった位置に備わるそれは否応なく最初に目が行く部品であり、圧倒的な存在感を放っている。

 W44Sの製品コンセプトは、「ケータイとAV(Audio&Visual)の融合」(企画担当 藤原氏)、そして「2面性の表現」だという。

 「音楽が聴けます。映像も楽しめます」は、携帯の機能としてもはや当たり前になっている。同社はすでにW41SやウォークマンケータイW42S(関連記事参照)、W43Sで音楽(Audio)と携帯の融合は図っているが、ワンセグやデジタルラジオ(音声放送と同時に文字情報や静止画・簡易動画も送信する)、容量約5MバイトのH.264動画を自動的に配信するEZチャンネルプラスなど、W44Sは映像(Visual)の要素も存分に楽しめる機能を備える。「それを単に“〜機能を搭載しました”ではなく、自然に、あたかも以前からあったかのように“融合”させたい」(藤原氏)。これがコンセプトの根底を支えている。

 携帯は基本的に手に持って使うものだが、AVを本当に楽しむにはそれがベストなのか、ほかにも使用スタイルがあるのではないか──モバイルシアタースタイルの概念はそこから生まれた。横位置スタイルの用意も、“ワンセグを載せるから横向きも”という短絡的な理由ではなかった。

photophoto 手に持って使うスタイルはもちろん、机上に置いて楽しむスタイルなども想定する。本体を斜めに設置し、視聴スタンドも兼ねる卓上ホルダが付属する

 実際、「横位置で使うモバイルシアタースタイルの概念により、アイデアが湧き出るように浮かんできた」(デザイン担当 平野氏、設計担当 金田氏)という。今回、その最も際だったアイデアが縦/横双方へ開けるヒンジだった。

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