「モバイルでもトップを目指す」──米Yahooのモバイル広告戦略:3GSM World Congress 2007

» 2007年02月15日 21時36分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
Photo Yahooのオーディエンス部門 コネクテッドライフグループのMarco Boerries執行副社長

 米Yahooは2月13日、スペイン・バルセロナで開催中のワイヤレス業界イベント「3GSM World Congress 2007」でプレス発表会を開催した。モバイルインターネットは今年の3GSMのテーマの1つに挙げられるなど注目が集まる分野。PCインターネットの世界からモバイルに参入するYahooは、「モバイルでもNO.1を目指す」とした。

 Yahooは2006年末に大規模な組織再編を行い、モバイルはオーディエンス部門下のコネクテッドライフグループが担当する。発表会では同グループで執行副社長を務めるMarco Boerries氏が、グループ最大のフォーカスエリアとするモバイル分野の戦略について説明した。

 今や携帯電話の所有者はPCを上回り、市場は計りしれない規模に成長している。しかし一方で、モバイルインターネットの離陸が遅れているのも事実だ。Boerries氏は「モバイルインターネットがトレンドという点では(モバイル業界と)同じ目標を共有しているが、どんな方法でこの目標を実現するかは見解が分かれることもある」といい、「モバイル業界を見ると、1999年から状況は変わっていない。音声とSMSがトラフィックの大部分を占めている」と指摘した。

 数年に渡ってモバイル業界を見てきた結果、モバイルは固定インターネットと異なり「無料のコモディティにはならない」(同)ことが分かったとBoerries氏。通信オペレーターは多額のコストをかけて無線ネットワークを構築しており、それが無料のコモディティ化の妨げになると見ている。

 そこでYahooが選んだ戦略が、通信オペレーターや端末メーカーとの提携だ。これは、Yahooの強みがPCインターネットの世界で培った検索技術と広告サービスのノウハウであり「広告はスケールビジネスで、スケールなしには収益は生まれない。スケールを手に入れるためには、価値を付加するサービスが必要」(同)なことから導き出された方針といえる。

 同社はこの1月、「International Consumer Electronics Show」(CES)でモバイル検索サービス「Yahoo Go for Mobile 2.0」を発表し、モバイルへの取り組みに本腰を入れた。同サービスはJavaをベースとし、最新のモバイル検索アプリケーションの「oneSearch」や地域検索、地図、ニュース、スポーツ、Flikr、メールなどをパッケージにしたアプリケーションとなる。

 当初ベータ版でスタートしたYahoo Go for Mobile 2.0は2月12日にガンマ版となり、Series 40/S60(Nokia)、Samsung、Motorolaなど100機種以上の端末をサポートするという。Yahooは12日、LG電子との提携を発表、LGはYahoo Go for Mobile 2.0などYahooのアプリケーションをプリインストールした携帯電話を提供することになっている。Yahooによると、Yahoo Go for Mobile 2.0のダウンロードは、発表から約1カ月で40万件を数えるという。

 Boerries氏がモバイルサービスのポイントとして強調したのが検索のあり方だ。「(検索は)エンドユーザーがモバイルインターネットを体験し、求めているコンテンツにたどり着くための重要なユーザーインタフェースとなる」(同)。しかし「モバイルで必要なのは、即時の検索結果」であるにもかかわらず、これまでの検索は必ずしもモバイルでの利用に最適化されていなかった。そこで生まれたのが、ユーザーが望むものや検索のコンセプトを理解するモバイル向け検索ソフトウェアの「oneSearch」というわけだ。oneSearchはコンテンツをアグリゲートし、意味のある形で表示する役割を担う。

 例えば「Apple」で検索すると、Googleの場合はPCサイトの2210万件のリンクが表示される。これがoneSearchでは、Appleのホームページや株価、ニュース、Apple Storeのあるタイムズクエアの地図、付近の地域検索情報、Appleの製品などが並び、ユーザーは自分のテーマに応じて検索を進めることができる。

Photo GoogleとoneSearchの検索結果を比較

 「oneSearchは、モバイル検索のユーザー体験を大幅には改善する」とBoerries氏は胸を張り、これがモバイル広告を現実の者にすると強調した。この言葉を裏打ちするようにYahooは3GSMの会期中、19カ国でモバイル広告プラットフォームの提供を開始。日産自動車、Pepsi、Intelなどの企業が携帯端末上でディスプレイ広告の配信を始めた。

 “2007年はモバイル分野に注力する”とアピールしたYahooは、今後もこの分野で先駆けとなるサービスを発表し、展開する予定だとしている。

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