この先10年で携帯インターネットをオープンにする──ヤフーの井上社長:CEATEC JAPAN 2006

» 2006年10月04日 21時01分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 PCインターネットの成長と歩調を合わせる形で発展してきたYahoo!Japanも今年で10歳。ページビューは1日12億PVに達し、利用者数は4500万人(ユニークユーザー)。1カ月あたりの平均利用時間は3時間26分と、順調に利用者を増やしてきた。

 ただし今後は同じ成長曲線を見込むのは難しく、これまでの規模の拡大による成長から、新しいビジネスモデルによる成長への転換が不可欠になる。

 こうした中、ヤフーが打ち出しているのが「Yahoo!Everywhere構想」(10月4日の記事参照)。これまでPCの前で利用するスタイルが主流だったYahoo!Japanのサービスを、時間や場所、環境にとらわれず利用できるようにするものだ。

Photo Yahoo!IDがあれば、自分の必要な情報をいつ、どこで、どんなデバイスからも取得できるようにするのが「Yahoo!Everywhere構想」。それぞれのデバイスに最適なインタフェース開発を目指す

 ヤフーが新しいインターネット閲覧環境としてテレビ(10月4日の記事参照)やカーナビ、ゲーム機器などの情報家電と共に重視しているのが携帯電話。ヤフーの井上雅博社長は、今の携帯インターネットの世界を10年前のクローズドなPCインターネット環境になぞらえ、この先10年でオープンなものにすると意気込んだ。

Yahoo!ケータイは携帯インターネットオープン化の水先案内人に

 これまで携帯インターネットは、キャリアがそれぞれポータルを構築し、そこから専用サービスにアクセスするというスタイルが主流だった。最近ではKDDIがEZwebにGoogleのエンジンを使った検索サービスを導入したり(7月19日の記事参照)、ドコモが一般サイト検索サービスを提供する(9月25日の記事参照)などの動きがあるものの、まだオープン化にはほど遠い。

 ヤフーの井上社長は、この状態を10年前のパソコン通信の世界に例える。当時はPC-VANやNifty-serve、AOLといったISPが会員専用のコンテンツを提供するのが主流で、「これに入るとあっち(のサービス)ができない」(井上社長)という状況が起こっていた。「当時オープンなのはメールだけで、これも携帯インターネットに似ている」(同)

 それが今では、どのISPに加入しても膨大な情報に制限なくアクセスできるようになり、マーケットの規模も拡大した。「(ユーザーはもとより)サービスを提供する側も特別なことをする必要がない。それがいいサービスを生み、利用も促進されている」

Photo 10年前のパソコン通信時代(左)と現在のインターネット環境(右)。オープン化によりマーケットの規模も急拡大した

 携帯インターネットの世界もPCと同じ道をたどるというのが井上社長の見方で、「今後10年で、同じようにできればと思っている」と話す。ただ携帯インターネットのオープン化を実現するには「とっかかりとして誰かが(サービスのイメージを)見せないと伝わらない」といい、その役割を担うのが、ソフトバンクモバイルのYahoo!ケータイなのだと説明した。「Yahoo!ケータイは、もう1つの閉じたオンラインサービスではない」

Photo 現在の携帯インターネット環境と、井上社長が目指す10年後の携帯インターネット環境

 Yahoo!ケータイは、会員登録を行い、携帯でIDとパスワードを1回設定すれば、あとは携帯端末に搭載された「Y!」ボタンを押すだけで、PC版Yahoo!Japanの人気サービスを利用できる。井上社長は「まだ生まれたてのサービスで発展途上」としながらも、「携帯を通じてどんなことができると便利なのか、ユーザーは何がしたいのかを見極めてサービスを開発したい」と意欲を見せた。

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