ヤフーは12月1日、ウォルト・ディズニー・ジャパンのネット事業部門であるウォルト・ディズニー・インターネット・グループとモバイルサービスを共同展開することで合意したと発表した。第1弾として携帯向けサイト「Disney Collection on Yahoo!モバイル」をオープン、ディズニーキャラクターの待受画像、着メロなどのサービスを提供する。
コンテンツの決済には、ヤフーの課金システム「Yahoo!ウォレット」を利用する。今後は、Yahoo!メッセンジャーやYahoo!オークション、Eコマースなどの分野でも協力を深める構え。
ヤフーの井上雅博社長は、ディズニーとの提携によりYahoo!JAPANのモバイルインターネット事業は次期フェーズに移行するとコメント。同社の戦略に言及した。
固定のインターネット業界で確固たるブランドを確立したYahoo!JAPANだが、モバイルの世界でも各種サービスを提供してきた。
iモード、EZweb、ボーダフォンライブ!の3キャリアに対応するYahoo!モバイルは、2004年10月時点で1日約1600万ページビューを集めるサイトに成長。PC同様、サイト検索、オークション、掲示板、乗り換え案内などのサービスが用意されている。
井上氏は、ディズニーのような力のあるコンテンツプロバイダと提携したことで「第2フェーズに入る。今日がその第一弾」と話す。今後もディズニーに留まらず、多くのコンテンツプロバイダを巻き込んで事業を拡大したい考えだ。
背景には、2006年夏にも始まるといわれる番号ポータビリティ(MNP:Mobile Nuber Portability)がある。井上氏は、今のままではMNPは不完全だと指摘する。
「データ通信が増える中で、(機種変更時の)コンテンツのポータビリティは十分でない」(同)。現状、携帯コンテンツは各キャリアの“公式コンテンツ”が中心。キャリアの乗り換えを行った場合、契約関係をスムーズに移行させることは不可能で、そもそも同じ内容のサービスが移行先のキャリアにない場合もある。
ヤフーが打ち出すのは、3キャリアすべてに対応したサイトであるYahoo!モバイルを利用した、キャリア非依存のサービス。前述のとおり、独自の決済プラットフォームであるYahoo!ウォレットを利用するため、コンテンツ課金がキャリアと切り離して行われる。MNP開始で電話番号のポータビリティが確保されれば、ユーザーの自由度は完全になる――とアピールする。
もっとも、ユーザーに受け容れ入れられるにはiモードやEZweb、ボーダフォンライブ!同様のコンテンツの品揃えを実現できるかがカギになる。
この点、ヤフーはディズニー以外の“第2弾、第3弾”を明らかにしていない。コンテンツプロバイダが同社プラットフォームに参加するための、審査基準なども特に公開されていない。
井上氏の話を聞く限り、この点は個別に対応していく方針のようす。井上氏はまた、各コンテンツプロバイダとの提携交渉が「ディズニーさんのときほど大変でないようにしたい」と、苦笑まじりにコメントしていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.