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» 2007年08月28日 20時38分 UPDATE

iMOBICON KOREA 2007:ネットワークと端末は1つに集約――ソフトバンクが目指す“ナンバー1融合環境”とは (1/2)

ソウルで行われたモバイルビジネスに関するカンファレンス「iMOBICON KOREA 2007」。ソフトバンクモバイルの松本徹三副社長が参加し、ソフトバンクが携帯事業を開始した狙いを語った。

[佐々木朋美,ITmedia]

 韓国ソウルで、モバイルビジネスに関するカンファレンス「iMOBICON KOREA 2007」が開催された。8月22日から24日にかけ、世界のキャリアやメーカー、コンテンツプロバイダの代表が集まって、モバイルビジネスの現状や今後の市場動向について話し合うものだ。日本からもソフトバンクモバイル副社長である松本徹三氏が参加し、講演を行った。

キーワードは「融合」

 iMOBICON KOREA 2007では、多くの専門家や企業トップによる講演が行われた。印象に残ったのは、多くの人が、モバイル市場の方向性について「融合」(convergence)という言葉を口にしたことだ。

 無線通信、ブロードバンド、放送など、さまざまなネットワーク同士が融合することで、PCや携帯電話、PDAなど別々に使われているデバイスが1つにまとまる環境が構築されるというのである。

 韓Samsung電子専務のキム・ヨンギュン氏は、「Using WiMAX/WiBro Seamlessly to Deliver a Competitive Service」と題した講演の中で“融合”について触れ、次世代のネットワーク動向を予想した。

 キム氏によると、4Gの実現には、携帯電話やそのほかの無線規格、もしくは第3の規格が出会い、融合することが必要だという。その4G(IMT-Advanced)の構成要素として注目されているのがモバイルWiMAXの次世代規格である「IEEE802.16m」。キム氏は、「IEEE802.16mはまだ規格策定が行われていない状態。規格策定作業が集中する2007年から2008年までが、非常に大事な年になる」と見ている。

 ネットワーク環境がダイナミックに変わることで、端末やコンテンツも変化しようしている。端末は、さまざまな通信規格に対応する融合デバイスとなり、ブロードバンド利用が前提のコンテンツが増える。キム氏は「その結果、大容量データ共有サービスが活性化する」と述べた。

photophoto Samsung電子のキム氏が示した「NGMN(Next Generation Mobile Netoworks)」の動向。MGMNには、現在のところ有力なLTEだけでなく、その他の規格が含まれる可能性もあることを示している
photophoto IEEE802.16mのロードマップ。2007年から2008年はITU-Rによる規格策定作業が数多い。2009年にかけて規格が確定する予定だ。またIMT2000およびIMT-Advancedの周波数帯域に関しても簡単に説明を行った
photophoto 端末の動向。最初はモバイルWiMAX専用のPCカードやPDAなどが出るところから始まり、携帯電話やテレビ機能が融合していく様子が分かる(左)。

ユーザーは、自身が作ったコンテンツを大勢と共有する「YouTube」型のサービスを求めている。端末やネットワークは、こうしたニーズに応えるスペックが求められるだろう(右)

 キム氏はモバイルWiMAXからのアプローチを示したが、KTF社長のチョ・ヨンジュ氏は「Examining Future 3G Content Models」という講演の中で、携帯電話による次世代のサービスを説明した。その中で同社が注目する、USIMカード/ビデオ/フルブラウジングに関する新しいビジネスモデルを紹介した。

 USIMカードサービスは、本人認証機能により金融や会員証、交通カードとしても携帯電話を利用できるようにする。ビデオサービスは、単に映画やドラマなどを見るだけでなく、遠方にいる医者とテレビ電話により話すなど実用的な活用法も考えられている。そしてフルブラウジングは、PCによるインターネットと同様の環境を携帯端末に用意する。

 これらは実用的なサービスだが、今後は楽しさや使いやすさと親しみやすさなどの要素も加える方針だ。音楽やゲームなどのエンターテインメントサービスを軸に、Eメールやニュース配信などの情報サービス、検索サービスなども含めたトータルエンターテイメントサービスを目指す。

photophoto KTFが注目する、3G以降の携帯電話によるビジネスモデル。USIMによる本人認証機能を利用した各種金融サービス、マルチメディア機能を利用した遠隔医療、フルブラウジングなど、実用的な機能に注目していることが分かる(左)。

“いつでも・どこでも・誰でも”というのが、次世代サービスのキーワードであるようだ。実用的なサービスに、エンターテインメント性を加えたサービスで、親しみやすいサービスを目指す(右)

 こうした次世代の融合環境が生まれるには、現行のサービスがさらに活性化する必要がある。チョ氏は、順調にエリアと契約数を伸ばしているKTFのHSDPAサービス「SHOW」を紹介。また、親会社KTの専務であるユン・ジョンロク氏が「Evaluating the Current Status of WiBro in Korea」と題した講演で「WiBro」の現状を紹介した。

photo KTFが2Gから3Gへ移行することで、MOU/ARPU/POUがともに増加したことを示すグラフ。テレビ電話は35.6%の人が使う、人気のサービスとなっている
photo 「WiBro」の市場状況。加入者は、サービス開始から2007年5月ごろまでは1万人に満たなかった。しかし6月以降、急激にその数を増やしている。この理由についてユン氏は、2007年4月にWiBro対応エリアがソウル全域に広がったことを挙げた
photophoto ネットワーク図と通信スピードを、WiBroとW-CDMAとで比較したグラフ。とくにアップロードスピードに関しては大きな差が出ている
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