幅92mmの「HUAWEI Pura X」は“令和のズルトラ”? 「Xperia Z Ultra」と実機比較、折りたためるファブレットだ

» 2026年02月15日 14時06分 公開
[佐藤颯,ITmedia]

 Huaweiが2025年2月に発売した「HUAWEI Pura X」は、近年のスマートフォン市場では珍しい横幅が広い機種。折りたたみ構造を採用しつつも、他社製品にはない画面比率や操作感には、どこか懐かしい感触を覚える。

 数カ月使ってみて実感したことは、かつての名機「Xperia Z Ultra」をはじめとしたファブレットを思い起こさせるものだった。本稿では、実機を用いて比較しつつ、Pura Xが「Xperia Z Ultraの後継」と呼ぶにふさわしい理由を探っていく。

展開時のサイズ感に宿る「ファブレットの遺伝子」

 Pura Xの最大の特徴は、展開時のディスプレイのアスペクト比にある。アスペクト比は16:10と縦長のスマートフォンが主流の中では横に広い。どちらかといえば2016年ごろまで主流だった16:9比率のスマートフォンに近いのだ。

 そして、横幅約92mmという普通のスマートフォンよりも幅広なサイズは、何と2013年に登場した「Xperia Z Ultra」とほぼ同じだ。全体的な本体サイズこそPura Xの方がコンパクトだが、画面幅の広さというXperia Z Ultraをはじめとした、かつての「ファブレット」の本質的な魅力を継承している点に注目したい。

HUAWEI Pura X Pura Xは6.3型のディスプレイを備える折りたたみスマートフォンだ
Xperia Z Ultra Xperia Z Ultraは6.4型のディスプレイを備え、発売当時はスマートフォンとタブレットの特徴をあわせ持つ「ファブレット」として話題を呼んだ

 実機を重ねて比較してみると、Pura XはXperia Z Ultraのディスプレイ部分だけを切り出し、極限までベゼルを削ったかのような印象を受ける。縦長スマートフォンが主流となった現在、横に広い画面はむしろ新鮮に感じるほど。ブラウジングや映像視聴など、かつてのファブレットが得意とした用途をそのまま引き継げると実感した。

HUAWEI Pura X
HUAWEI Pura X 両者の画面サイズはほぼ同じくらい。重ねるときれいに収まる

 この92mmという横幅は、スマートフォンとしては大きく、タブレットとしては小さいという絶妙な領域に位置している。パスポートとほぼ同じサイズなだけあって、Xperia Z Ultraに限らず、QWERTYキーボード付き「BlackBerry Passport」やスタイラスペン付き「LG Optimus Vu」などアスペクト比が4:3比率のスマートフォンも、幅90mm前後だった。

 その中でも大型だったファブレットは結果として、手に持てる限界の大画面という独自の立ち位置を確立しており、Pura Xもファブレットといっても違和感のない設計となっている。

HUAWEI Pura X 2機種を重ねると、Pura X(閉じた状態)はXperia Z Ultraの約3分の1のサイズ感になる

使ってみて分かったPura Xが「ファブレット後継」である理由

 そんなPura Xを実際に使ってみると、Xperia Z Ultraを思い出すのは単なるサイズ感だけではない。画面表示などの使用感に直結する部分も似通っている。

 Pura Xは折りたたみ構造を持ちながらも、開いたら16:10アスペクト比でWebサイトや動画コンテンツをより広い画面で楽しめる。サイズ感はXperia Z Ultraの画面と同じくらいなのだが、Webブラウザの表示量も実はほぼ同じ程度になる。

 ベゼルをなくしたことで、当時のZ Ultraが掲げた「手のひらに可能な限りの大型ディスプレイを詰め込む」理念が、まさに2025年の技術で再現された。

HUAWEI Pura X
HUAWEI Pura X サイトの表示領域もXperia Z Ultraとほぼ同じくらい

 また、現代のHuawei端末らしく、基本性能だけでなくAIによる画像処理やHDR対応の高輝度パネルなど、映像表現の面でも大幅な進化が見られる。Xperia Z Ultraで指摘されたカメラ性能の弱さも、Pura Xは実用的なレベルをしっかり確保しており、あらゆる点で進化は体感できる。

 マルチタスクもXperia Z Ultraの時代はミニアプリという形でいくつかのアプリを画面上に配置できたが、Pura Xは画面分割やポップアップウィンドウで任意のアプリを配置できる形で踏襲されている。

 起動できるアプリの自由度はPura Xの方が高いが、複数のミニアプリを配置できる点は「タブレット端末」をルーツに持つXperia Z Ultraらしいと改めて実感した。

 かつてのXperia Z Ultraを使った後にPura Xに触れると、折りたたみのロマンと実用性を両立させた「進化系ファブレット」と呼ぶにふさわしい。

HUAWEI Pura X ポップアップウィンドウは専用のミニアプリで対応していたXperia Z Ultra
HUAWEI Pura X 折りたたんでもディスプレイが表示されるので、進化系ファブレットともいえる

Pura Xは「令和のズルトラ」といえるスマホだった

 かつてのXperia Z Ultraはファブレットというジャンルを確立し、コンテンツ消費に新たな価値を提供した。今なお、当時のスマートフォンの常識を超えた存在としてファンやかつてのユーザーに記憶されている。

 タブレット端末としての側面が強かったXperia Z Ultraに対し、Pura Xはスマートフォンとしての側面が強い。その思想の違いからなる使い勝手の細かい差異こそあれど、Pura Xはファブレットというジャンルをしっかりカバーできるスマートフォンだと感じた。

HUAWEI Pura X Pura Xの厚みは7.15mm。当時、フルHD対応スマートフォンとして最薄だったXperia Z Ultraの6.5mmには劣るものの薄い
HUAWEI Pura X 折りたたんでコンパクトになる点も含めてPura Xは令和のズルトラだ

 その遺伝子を現代の技術で受け継いだスマートフォンがPura Xといえる。ベゼルレス化、折りたたみ構造といった新しい要素があるのに、手にした瞬間に、Xperia Z Ultraに触れたときと同じ感覚がよみがえる。

 Pura Xは、単なるHuaweiの新モデルではなく、ファブレットというジャンルを現代によみがえらせた象徴的な一台である。もしあなたがかつてXperia Z Ultraを愛したユーザーなら、この端末には確かな懐かしさと、新時代の可能性を同時に感じるはず。Pura Xは「令和のズルトラ(※ズルトラ=Xperia Z Ultraの通称)」と呼べるようなスマートフォンだった。

著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマートフォン世代。3度のメシよりスマートフォンが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマートフォンやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月04日 更新
  1. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  2. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  3. 「Androidのマイナンバーカード」は10月20日スタート予定 今の「スマホ用電子証明書」と何が違う? (2026年10月02日)
  4. 「BALMUDA Phone」のサポートがついに終了 バルミューダ初、異色スマホの終幕 (2026年10月01日)
  5. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2026年10月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年10月03日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 「Xperia 10 VIII」は部材高騰でも「10万円以下」を死守、新サービス「Fan Sync」でエンタメ体験を拡張 (2026年10月02日)
  8. 免許証画像が漏れると何が“ヤバい”のか タイムズカーで最大約660万件の個人情報漏えいで考えられる「3つのリスク」 (2026年09月29日)
  9. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  10. ドコモが低容量プラン「ドコモ mini2」発表 6GB/12GBの2段階で月額3278円/4598円 (2026年09月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー