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» 2009年11月13日 14時38分 UPDATE

ニコ動、今期は「確実に黒字化」 プレミアム会費が収入の7割

夏野剛氏は、ニコ動を10年9月期に「確実に黒字化させる」と約束する。プレミアム会員が順調に増えており、売り上げの7割をプレミアム会費が占めている。

[岡田有花,ITmedia]
画像 夏野氏

 ドワンゴは11月13日、「ニコニコ動画」を2010年9月期通期で黒字化させる見通しを明らかにした。これまで目指していた前期(09年9月期)中の単月黒字化は果たせなかったが、今度は「確実に黒字化させる」と“黒字化担当”こと同社取締役の夏野剛氏は話す。

 前期の同社ポータル事業(ほぼニコニコ動画)は、売上高が32億8100万円と前期比81.2%伸びたものの、計画を15億1800万円下回った。月額525円の「プレミアム会員」獲得が想定を大きく上回ったが、広告出稿が想定に届かなかった。

 売上原価は50.8%増の42億7600万円。設備・回線への投資は落ち着いたが「ニコニコ生放送」の番組強化で費用がかさみ、売上総利益(粗利)段階で9億9500万円の赤字(前期は10億2500万円の赤字)となった。営業赤字は18億3000万円と、前期(15億1500万円の赤字)より拡大した。

ニコ生強化でプレミアム会員51万に

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 ニコ動事業の売上高は31億5500万円。プレミアム会費収入が66%、広告収入が26%、アフィリエイト収入が6%、ポイント・その他収入が2%という内訳だ。9月単月で見るとプレミアム会費収入が72%と大部分を占めている。

 総会員数は1420万人で、期初計画(1420万人)を達成。9月末時点でのプレミアム会員数は51万人と、期初計画の36万人を大きく上回った。プレミアム会員を優遇する仕組みを備えた「ニコニコ生放送」(ニコ生)の強化が、プレミアム会員獲得に寄与したという。

 ニコ生では5月に帯番組「とりあえず生中」をスタート。7月にはダウンタウンの浜田雅功さんなど豪華ゲストを招いた12時間生放送(24万人が視聴)を、8月には衆院選特番(18万人が視聴)を配信するなど、オリジナル番組に力を入れた。「ニコ生強化の費用は先行投資。1度プレミアム会員になった人の滞留期間は10カ月を超えており、今期以降の明るい材料になっている」と夏野氏は話す。

 携帯電話向け「ニコニコ動画モバイル」で、プレミアム会費を携帯電話の月額料金と一緒に決済できるようになったことも、プレミアム会員増に寄与したという。

 広告収入の伸びは鈍化しているが「広告プラットフォームとしての基礎は築けた」という認識。NTTドコモなど、ナショナルクライアントからの出稿もあり、「ユーザー生成コンテンツに抵抗があったクライントも最近は出稿している」という。今後も枠の増強などで広告収入の拡大も見込む。

「黒字化への道筋、確実に付いた」 11年以降、世界展開

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 「黒字化への道筋は確実に付いた」――ニコ動事業は今期で確実に黒字化できるという。上半期(09年9〜10年3月期)は赤字だが、下期(11年4〜9月期)に黒字化し、通年でも黒字転換するという見通しだ。

 「ニコ生などのコストを削減して費用コントロールをすれば今でも黒字に近くなるが、縮小均衡になってしまう。ユーザーを拡大して大きなプラットフォームにした上で黒字化したい」

 今期のニコ動売り上げ見通しは、前期比88%増の59億3500万円。内訳は、プレミアム会員収入が2.2倍の45億8100万円、広告収入が18%増の9億6100万円、アフィリエイト収入が6%減の1億800万円、ポイントその他の収入が2.9倍の2億1200万円。

 事業を黒字化した上で、11年9月期以降に世界展開を計画。現地企業とアライアンスを組みながら展開していく考えだ。「事業の黒字化は、世界展開でアライアンスを組む前提として重要。今回は絶対に黒字化しない訳にはいかない」(夏野氏)

前期は最終赤字 ニコ動資産の減損で

 前期の連結決算は、売上高が前期比6.4%増の265億6800万円、営業利益が3.4倍の3億9700万円、経常利益が3.2倍の3億4200万円。

 ニコ動関連資産の減損処理として10億5800万円を特別損失に計上した影響などで、純損益は7億8200万円の赤字(前期は22億9800万円の赤字)となった。

 今期の連結業績予想は、売上高が前期比17.4%増の312億円、営業利益が51.1%増の6億円、経常利益が75.3%増の6億円、純利益が4億5000万円と黒字転換を見込む。

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