Chrome OSはオンラインOSなので、ユーザーはWindowsのように、(ブラウザ)ウィンドウを閉じてオフラインアプリケーションを使うということはできない。Webアプリとデスクトップソフトを同時に使える状況に慣れているユーザーには問題かもしれない。GoogleはChrome OSをリリースする前に、対処する必要があるだろう。
GoogleがChrome OSで達成しようとしている目標が画期的だということに議論の余地はない。だからといって、ユーザーがそれを理解してくれるとは限らない。クラウドコンピューティングが本格的に始まって以来、ユーザーはインターネットにアクセスできるデスクトップソフトを扱ってきた。オンラインですべてのコンピューティングニーズを満たすWebソフトを使ったことがあるとは限らない。確かに新しい技術には「慣らし」の期間があるが、MicrosoftとWindows 7が成功していることを考えると、ユーザーへの売り込みは難しいかもしれない。
残念ながら、Chrome OSはどのコンピュータにもインストールできるというわけではない。その代わりに、Googleは複数のPCメーカーと提携しており、これらのメーカーがChrome OS搭載PCを販売する。当面は、ユーザーが同OSを使える手段はプリインストール機しかない。これはGoogleにとって問題になる可能性がある。ユーザーはChrome OSを使うためだけに新しいコンピュータに投資するのを嫌がるかもしれない。だが、既存のPCにダウンロードして試せるなら、同OSを使ってもらえる可能性はある。
Googleは先週の記者会見で、Chrome OSは最初から、ユーザーを保護し、マルウェアを(なくすとまではいかなくても)減らすことを考えて開発したと語った。確かにいいことだが、正確にはそれをどうやって実現するのだろうか? セキュリティ問題が出てきたら、Googleはセキュリティ界とどのように協力して対処するつもりなのだろうか? オープンソースとサンドボックスは出発点としてはいいが、セキュリティ問題が起きたときの対応を詳しく説明したセキュリティポリシーは必須だ。
Chrome OSでInternet Explorer、Safari、Opera、Firefoxを使いたいと思っているのなら、それは忘れた方がいいだろう。Googleによると、Chrome OSは外部のブラウザをサポートしない。悲しいことだ。市場に出回っているほかのOSはどれも、ユーザーに好きなブラウザを選ばせてくれる。だが、Chrome OSでは当分は無理だ。
Chrome OS発表会のQ&Aセッションで、ユーザーがWi-Fiに接続できないときに、Chrome OSはどのように動作するのかという質問があった。同社の担当者はあまり多くを語らなかった。同社は、Chrome OSはWebユーザーを念頭に置いて設計したと明言した。だが、ユーザーがインターネットに接続できないときは、Chrome OS搭載Netbookはあまり役に立たないように思える。Chrome OSが広く受け入れられる見込みがあるのなら、Googleはこの問題に対処しなければならないだろう。
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