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» 2010年08月04日 20時00分 UPDATE

ドコモ、DNPと組んで電子書籍に本格参戦 3陣営出そろう

ドコモがDNPと組んで10月末以降、電子書籍販売に乗り出す。電子書籍専用端末も販売するが、「将来はiPadやau端末からでも利用できるようにしたい」というほどの「オープン」な姿勢を強調する。

[ITmedia]
photo 電子書籍サービス開始を発表するドコモの辻村副社長(左)とDNPの高波副社長

 NTTドコモと大日本印刷(DNP)は8月4日、携帯端末向け電子書籍サービスで提携することで基本合意したと発表した。両社で新会社を設立し、10月末以降、ドコモのスマートフォン向けを皮切りに電子書籍販売を始める計画。ドコモは電子書籍専用端末を年内にも販売する計画だが、サービスは「オープン」を強調。「将来はiPadやau(KDDI)端末などからでも、キャリアをまたいで利用できるようにしたい」という。ドコモの参戦表明で、電子書籍をめぐる携帯電話キャリア3陣営が出そろった。

 ドコモの顧客基盤や携帯技術と、DNPのデジタル化技術や出版社との関係を活用。ドコモ契約者を核にしたユーザー向けの電子書籍プラットフォームを両社共同で構築、書籍やコミック、雑誌など10万点超のコンテンツを販売し、ドコモの携帯電話やスマートフォン、タブレット端末、電子書籍専用端末など多彩なデバイスに対応させる。DNP傘下の丸善、ジュンク堂、文教堂やオンライン書店「bk1」とも連携する。

 具体的には、両社で共同事業会社を設立し、10月末〜11月初めをめどにオープンする電子書店を新会社が運営する形になる。課金決済はドコモのプラットフォームを利用する。まず「Xperia」など、ドコモが販売するスマートフォン向けにサービスを展開するが、年内から年明けにも電子書籍専用端末を発売し、iモード端末でも2010年度末以降に閲覧できるようにする予定だ。

 今後登場するとみられるメーカーブランド端末も受け入れる「マルチデバイス」をうたい、電子書籍データも「EPUBなどさまざまな方式があり、複数のフォーマットが使えるようにしたい」(NTTドコモの辻村清行副社長)と「マルチフォーマット」を掲げる。またDNPが書店連合を傘下に持つ強みを生かし、リアル店舗と紙の書籍も有機的に連携する「ハイブリッド型」の電子書店として他社陣営と差別化したい考えだ。

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 ドコモの辻村副社長は「単なる紙の置き換えではなく、電子だからこそできる新マーケットの開拓を目指す」と話し、DNPの高波光一副社長は「ドコモとDNPの強みを融合することで、他社にはないサービスを提供できるのでは」と期待する。

 辻村副社長は、国内の電子書籍市場は出版市場の2〜3割程度に当たる4000〜5000億円程度になるのではと予想。そのうち数百億円程度を数年かけて獲得していく算段で、「ドコモはケータイの雄でもある。DNPと組んで1位を目指したい」と意気込んだ。


「iPadやau端末からも」──「オープン」を強調

 電子書籍をめぐるドコモ、KDDI、ソフトバンクによる動きがあわただしい。ドコモとDNPの発表に先立つ5月、KDDIはソニー、凸版印刷、朝日新聞社と組み、年内のサービス開始を目指す計画を公表。iPhone/iPadを擁するソフトバンクは、電子雑誌を定額制で購読できる「ビューン」を展開し、運営会社には7月、毎日新聞社、電通、西日本新聞社が出資した

 この日の会見で、ドコモの辻村副社長は「ドコモから見ると、電子書籍はブロードバンドネットワークの重要なコンテンツの1つ。トラフィックを生む新しいコンテンツ市場が立ち上がる」と話した。一方で「将来はiPadやauの端末など、キャリアをまたいでアクセスできるようにしたい」「電子書店はドコモとDNPで作るが、アクセスする回線はauでもソフトバンクでもいい」と話すなど、将来構想とはいえ、ドコモ回線にこだわらないほど「オープン」な姿勢を強調してみせた。

 ドコモの発表に当たり、端末メーカーとしてNEC、LG Electronics、Samsung Electronicsが賛同コメントを寄せた。今後端末メーカーとの協業を進め、メーカーブランド端末も含めて多様な端末に対応していくという。スマートフォンやPC、iモード端末など、同じユーザーが異なる端末で読む場合にしおりを同期する機能も早期に導入する予定だ。

 出版社は講談社と小学館が賛同コメントを発表。電子書店運営の詳細は固まっていないというが、辻村副社長は出版社から得る手数料について「Appleの手数料30%は高めだなという感想は持っている」と話し、割安な手数料で差を付ける可能性も示唆した。

 大手書店を次々と傘下に収めてきたDNPの動きも急だ。7月に国内最大級の電子書店を開設する計画を公表しており、ドコモと組むことで有望な販売チャネルを確保する。傘下の書店とはポイントサービスやプリントオンデマンドサービスなどで連携していくという。凸版印刷らと共同で発足した「電子出版制作・流通協議会」でも標準規格の策定を急ぎ、秋の電子書店オープン時には一部間に合わせたいとしている。

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