Googleは、同社の第3四半期(7〜9月期)の業績発表で金融アナリストらを驚かせた。これまで触れてこなかったディスプレイ広告とモバイル広告の数字を公開したのだ。
同社の第3四半期の業績は、純利益が21億7000万ドル(1株当たり6ドル72セント)で、前年同期の16億4000万ドル(1株当たり5ドル13セント)から32%増加した。売上高は前年同期比で23%増の72億9000万ドルだった。
これらの数字には、Googleのディスプレイ広告事業の成長が反映されている。同事業は、年間25億ドル規模で運営しているという。
この中には、YouTube広告と、Googleの広告ネットワークおよびDoubleClickの広告ネットワーク上の非テキスト広告も含まれると、同社の製品管理上級副社長を務めるジョナサン・ローゼンバーグ氏が業績発表後の電話会見で語った。
「いつも、検索に続くGoogleの数十億規模の事業は何なのかと尋ねられる。これが答えだ」(ローゼンバーグ氏)
YouTubeは特に目覚ましく、週当たり20億以上のページビューが収益化されており、これは前年比50%の成長という。だが、パトリック・ピシェットCFO(最高財務責任者)はYouTubeが黒字化したかどうか明言することを避けた。
一方、Googleのモバイル広告事業は年間10億ドル規模で稼働しているという。Android端末上のモバイル検索は2年前の5倍に増えた。
これは、スマートフォンからの製品やサービスへのアクセスが、同社の売り上げに10億ドル追加していることを意味するとローゼンバーグ氏は強調した。「明らかに、これがインターネット検索の未来だ」と同氏。
検索広告は依然としてGoogleの中心的な収入源ではあるが、同社が将来に向けて注力しているYouTubeとAndroidが、アナリストらが探していた次の数十億ドル規模の事業として収益を上げはじめたということだ。
米投資銀行Caris and Co.のアナリスト、サンディープ・アガワル氏は、Googleが、主力以外の検索事業を売上高でも純利益でもアナリストを驚かせるに十分な要素とする段階に向かっていると語った。
アガワル氏は10月15日付の調査報告で、向こう3年間に関し、検索広告の複合年間成長率(CAGR)は15〜16%に、ディスプレイ広告やモバイル広告などの非主力事業のCAGRは40〜45%になると予測している。
「非主力広告事業は、より速いペースで価値創造源になるだろう。モバイル広告およびディスプレイ広告は、モバイルとYouTubeの利用増加と相まって急速に採用されており、成長に向けた“統制のとれた質素な”アプローチが利益率の確保に役立っている」(アガワル氏)
米コンサルティング企業Gleacher and Co.のアナリスト、ユン・キム氏は、Googleのディスプレイ広告ビジネスに関してもう少し慎重だ。同氏は10月15日付の調査報告に次のように記している。
ディスプレイ広告事業が、検索事業衰退の可能性を一掃するに十分な程度に急速かつ大きく成長しつつある兆候は見える。とはいえ、この成長が継続するものと判断するには、少なくともあと1四半期は様子を見るべきだとわれわれは考える。
それでも、Googleが成長し続けられないと考える理由はない。ローゼンバーグ氏は電話会見で、Googleのディスプレイおよびモバイル広告事業はずっと成長し続けていると語ったのだ。
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