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» 2010年11月11日 16時23分 UPDATE

Apache、Javaコミュニティー脱退を示唆――Oracleのテストキットライセンス拒否に反発

ASFは脱退をちらつかせるだけでなく、「Java SE 7」仕様に反対票を投じる方針も明らかにしており、ほかのメンバーにも同調するよう呼び掛けている。

[Fahmida Y. Rashid,eWEEK]
eWEEK

 米Apache Software Foundation(ASF)は、米Oracleが「Harmony」プロジェクトに対してテストキットのライセンスを拒み続けるのであれば、Java管理団体から完全に脱退すると脅しをかけている。

 ASFは11月9日(現地時間)、同団体のブログに掲載した発表文で「Java仕様のインプリメンターとしてのASFの権利が認められない」のであれば、Java Community Process(JCP)から脱退すると述べている。

 ASFが指摘した問題とは、Java SEのテストキットライセンス(TKL)をApache Harmonyプロジェクトに提供するかどうかをめぐるOracleとの論争のことだ。HarmonyはJavaのオープンソースインプリメンテーションで、独自に開発が行われている。

 この論争の中心は、TCKに対して現在設けられている「Field of Use(FOU:利用分野)」制限だ。FOUは、対象となる製品が実行可能あるいは不可能なプラットフォームを規定する。例えば、Harmonyベースの製品は携帯端末上では動作できないとFOUで指定することも可能だ。ASFにとっては、同団体のライセンスを修正しない限り、このルールを適用するのは非常に困難だろう。もちろん、このような条件はオープンソースのコンセプト自体とも対立する。

 データベース大手のOracleでは、FOU条項抜きでHarmony向けのTCKライセンスをASFに提供するつもりはないとしている。米Sun Microsystemsは2006年の時点で、Java SEのTCKでFOU制限を要求しており、ASFはこれを全面的に拒否した。OracleはSunの買収に伴ってJavaを取得したことで、この論争を復活させた。皮肉なことに、Oracleも当初、Harmonyの支持企業として、TCKを制限なしで提供するようSunに要求していた。OracleはSunの買収が完了した後で態度を翻したのだ。

 ASFは10月21日付のブログで「これはOracleの最終決定であるため、この件に関して生産的な議論を行う機会はもうないとわれわれは考えている」と述べている。

 「2006年に策定されたJCP規則によれば、メンバーはJava SE用のテストキットのライセンスを受けてJavaベースの製品のテストと配布を行う“権利”がある」とASFは主張する。

 ASFがテストキットを必要とするのは、HarmonyがJava仕様に準拠していることを確認するためだ。それを確認できれば、同プロジェクトを「Java準拠」としてリリースできるのだ。テストキットがなければ互換性を検証することはできない。

 ASFによると、Oracleがライセンスを拒否しているために、ASFはHarmonyを「TCKテストで仕様準拠が検証され、ApacheがライセンスするJava SEのインプリメンテーション」としてリリースできない状態だという。

 ASFは脱退をちらつかせるだけでなく、「Java SE 7」仕様に反対票を投じる方針も明らかにしており、ほかのJCPメンバーにも投票に際してASFに同調するよう呼び掛けている。Java SE 7は、Oracleのロードマップに示されているJavaの次期バージョンだ。

 この場合、Java SE 7への反対投票はOracleへの反対投票を意味する。

 Java SE 7が投票で承認されなかった場合、OracleのJavaロードマップにも影響が及び、オープンソースコミュニティー全体でのOracleの評判がさらに傷つくことになるだろう。OpenOffice開発者が「LibreOffice」へ移行し、OracleがOpenSolarisの“終了”を宣言するといった状況の中、同社は既にオープンソースの敵と見なされている。

 ASFによると、JCP規則に従わないメンバーには同グループへの参加を許可すべきではないという。FOU条件に固執するSunに対して不快感を表明するために、ASFは以前にもSunが支持する提案に反対票を投じたことがあるとしている。

 JCPの執行委員会は「オープン仕様のエコシステム」としてのJavaに対する「明確かつ強力な公式サポート」を続ける必要があり、このエコシステムでは誰でも「自身で選んだ条件の下で」Java仕様を実装、配布することが可能だ、とASFは主張する。

 「オープンソースあるいはフリーソフトウェアのライセンスと相いれない追加条件を強いるTCKライセンスしかOracleが提供しないというのは、JCP規則に定められている契約義務に違反する」(ASF)

 OpenSolarisの事例で示されたように、Oracleは従来、脅しに対応するのが上手ではない。今回、それはOracleが面目を失うことを意味することにもなりそうだ。

 一方、米IBMは当初、ASFによるFOUの合意拒否を支持していた。しかしIBMは10月、OpenJDKに開発サポートを移行すると発表した。OpenJDKは、Sunが立ち上げたオープンソースプロジェクトで、現在はOracleがサポートしている。

 ASFはIBMの発表を問題視せず、これらのプロジェクトは、「著名な」コントリビューターが去ってもその影響を最小限にとどめるために、「多様な」コントリビューターで構成されているとしている。

 なお、ASFにはJCPの執行委員会で新たに3年間の任期が与えられた。執行委員会のメンバーとしてのASFの目標は、JCPで「透明性とオープン性」を実現するとともに、Java仕様を「オープンソースライセンスの下で独自に実装・配布」できるようにすることだ、とASFは述べている。

 過去10年間にわたって執行委員を務めてきたASFは今回、JCPの投票で95%という圧倒的支持を得た。

 JCP執行委員会は16の企業や団体で構成され、スイスのCredit Suisse、Eclipse Foundation、米Google、米Hewlett-Packard(HP)、IBMなどがメンバーとして名前を連ねている。

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