国内PC出荷台数、3年ぶりに回復

» 2004年02月05日 19時37分 公開
[ITmedia]

 マルチメディア総合研究所は2月5日、2003年の国内PC出荷実績(台数ベース)をまとめた。出荷台数は1198万5000台と前年比で6.6%増え、3年ぶりにプラス成長となった。ただコンシューマーの関心がDVDレコーダーなどに移っていることもあり、今年はPCならではの使い勝手をいかにユーザーに訴えられるかが鍵になりそうだ。

 販売ルート別では、特に10月の家電リサイクル法をにらんで店頭ルートの駆け込み需要がふくらんだ。下半期の出荷台数は前年同期比13.3%増の2ケタ成長。通期でも前年比6.4%伸びている。その他ルート(店頭以外、直販や企業向けなど)も通期で同6.7%プラスになった。

 ただ低価格化の影響で、出荷金額は全体で1兆7700億円、前年比1.7%減にとどまった。

 メーカー別市場シェアの順位は前年から変化がなかった。だがトップを堅持したNEC(21.6%)に、店頭でソニーを逆転した2位の富士通(20.9%)が肉薄。

 3位のソニーは上位5社で唯一のマイナス成長となり、シェアも9.6%と前年比3.9ポイント下がった。これに4位のデル(9.3%)が前年比1.3ポイント増で迫り、「年度ベースではデルが抜く可能性が高い」(同社)。デル同様に低価格路線を行くHP(8位)も同0.6ポイント増となる4.1%のシェアを獲得した。

 5位の東芝(8%)は前年比0.8ポイント増。特に店頭ルートでの出荷が同35.7%増えており、「大企業中心の営業から中小、個人ユーザー、へのシフトが明らかになった」(同社)。6位は日本アイ・ビー・エム(6.2%)、7位は日立製作所(4.8%)。その他ではホワイトボックス系の健闘が目立った。

 PCのタイプ別では、ノートPCの出荷台数が前年比4.1%増、デスクトップPCは同9.7%増となった。デスクトップでは大画面液晶モデルや水冷式モデルなどが人気となり、3年ぶりでプラスに転じた。全体では55%をノートPCが占めた。

 2004年は、2000年問題対策で導入されたリースPCの買い替え期になることや、個人消費が回復することを追い風に、全体で11%増(上半期:8%増、下半期14%増)の1330万台を見込む。うち店頭ルートは610万台で10%増、その他ルートは720万台の12%増との予測だ。

 ただ「コンシューマーの関心はPCからDVDレコーダーなどデジタル家電に移りつつある」(同総研)。このためデジタル家電と融合した製品など、デジタル家電の勢いを利用しつつPCならではのユーザビリティを訴えるような新コンセプトが求められるとコメントしている。

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