“レンズ一体型「8メガ」機”で各社が目指すもの(1/2 ページ)

» 2004年02月18日 19時59分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 昨年から今年にかけてレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ(DSLR)の低価格化が進んでいる。DSLR価格破壊をもたらしたキヤノンEOS Kiss Digitalなどはズームレンズ込みで実売13万円前後と、レンズ一体型デジカメの最上位機クラスと価格面で差がなくなってきた。

 低価格DSLRの登場で10万円を超すレンズ一体型ハイエンド機の存在意義が問われ始めたなか、各社は一斉に2/3インチ有効800万画素CCDを搭載した最上位機ニューモデルを投入してきた。20万円を切るDSLRのほとんどが600万画素クラスの撮像素子なのに対して、従来の500万画素クラスから一気に高画素化を図ってDSLRの解像度を上回ってきたのだ。

 昨年末から今月にかけて発表/発売された800万画素デジカメ5機種のスペックを見比べることで、“レンズ一体型「8メガ」機”で各社が目指すものが見えてきそうだ。

 8メガ機5機種の主なスペックの違いは以下の通り(クリックで拡大)

色付き比較表

“DSLRキラー”を目指すF828と、棲み分け派?の他4機種

 8メガ機のトップを切って昨年末に登場したのは、CCD供給元でもあるソニーの「サイバーショット DSC-F828」。4色カラーフィルターを採用した独自仕様の2/3インチ有効810万画素CCDを搭載している。

photo ソニー「サイバーショット DSC-F828」

 28ミリ相当の広角域から200ミリ相当の望遠までカバーする光学7倍ズームは、F2.0からという非常に明るいレンズなのも魅力だ。また、DSLR並みのすばやい操作感で撮影できる手動リング式のズーム機構や、最短2センチと強力なマクロ撮影なども特徴。

 F828は実際にレビュー(別記事を参照)した1台だが、これなどは低価格DSLRに真っ向勝負を仕掛けているモデルといっていいだろう。重量面やボディサイズで明らかに不利な58ミリという大口径レンズをあえて搭載し、4色カラーフィルターを武器に“画作り”でユーザーにアピールしている。デジカメのラインアップにDSLRを持たない同社ならではの、「持てる技術を搭載し尽くした」という最上位機だ。

 一方、DSLR展開にも積極的なキヤノンやニコンは、DSLR並みの高機能を載せながらもレンズ一体型のメリットである“コンパクト性”を生かした製品作りをしてきた。

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