没入感抜群の360度ドローン「Antigravity A1」を楽しむには“国の許可”が必要? 知っておくべき航空法の基礎と申請のリアル(1/3 ページ)

» 2026年02月20日 12時00分 公開
[青山祐介ITmedia]

 Insta360が360度カメラを搭載したドローン「Antigravity A1」を2025年12月に発売しました。それから約2カ月が経過し、全天球映像をリアルタイムに見ながら飛行させるという、これまでのドローンとは趣の異なる新しい飛行体験を楽しんだ方もいるかもしれません。

→・Insta360初ドローン「Antigravity A1」実機レポ 360度カメラが生む“空中を自由に見渡す”没入感とは?

 筆者の手元にも、上記のレビュー記事を執筆するためのAntigravity A1(以下、A1)の実機がありますが、入手してすぐに自宅の前で飛ばすなんてことはできませんでした。日本国内において、機体の重量が100g以上のドローンは「無人航空機」に分類され、航空法の規制を受ける存在だからです。

 A1はドローンの中でも小型で、スマートフォンよりわずかに重いぐらいではありますが、航空法にのっとって飛行させなければ、拘禁刑や罰金刑に処せられる可能性もあります。

photo 360度カメラを搭載したドローン「Antigravity A1」

日本国内でドローンを飛ばすハードルの高さ

 航空法では、無人航空機に対して「飛行禁止の空域」と「飛行方法」を定めています。空域については、地上から150m以上、そして空港周辺、人口集中地区上空、災害時などに一時的に設定される緊急用務空域での飛行が禁止されています。

 人口集中地区については大都市に限らず、地方都市や市町村の中心部といった地域が指定されていて、例えば東京23区はそのほとんどが対象となっています。

photo

 また、飛行の方法については、“昼間に飛行させる”“機体を目視して飛行させる”“人や物件から30m以上離して飛行させる”ことと定められている他、「催し上空の飛行」「物件の投下」「危険物の輸送」が禁止されています。

 さらに、そもそも原則として“第三者上空”の飛行が禁止されているため、誰もいない空き地のような空間を自ら用意しない限りは、事実上、屋外でドローンを飛行させることができません。

 この他にも航空法に加えてテロなどを防止する目的で制定されたいわゆる「小型無人機等飛行禁止法」によって、皇居や霞が関をはじめとする国の行政機関、自衛隊の基地/駐屯地や米軍施設、原子力発電所、主要空港の上空とその周辺約300mは、ドローンに限らず、気球やハンググライダー、パラグライダーなどの飛行も禁止されています。

 何よりこうした禁止空域を避け、飛行方法に従ったとしても、飛行場所の確保はなかなか難しいものです。人がいる場所の上空を飛行させることは、航空法上禁止されているのはもちろんのこと、万が一ドローンが墜落したときのことを考えると非常に危険です。

 また、公園のような人がいない広い場所であったとしても、そこでドローンを離着陸させることは、その土地や施設の所有者や管理者から許可をもらう必要があります。とはいえ、例えば東京都が管理する公園は全てドローンの飛行が禁止されている他、全国の多くの公園や観光地といった場所では、ドローンを飛ばすことが禁じられています。

 このように、ドローンを飛ばすのが初めてという人にとって、A1を日本国内で飛行させることはかなりハードルが高いといえます。

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