レビュー
» 2004年10月13日 08時00分 UPDATE

ちょっとレトロでかっこいいレンズ回転式デジカメ――Optio X (1/4)

久々に個性の強い、ユニークなデジカメが登場した。「Optio X」である。レンズ回転式、沈胴式3倍ズームと500万画素というスペックだが、それだけでは表しきれない、いろんな要素が詰まったデジカメなのだ。なので今回はちょっと長めのレビューです。

[荻窪圭,ITmedia]

 いやあ、久しぶりにこんなにユニークなカメラを見た。まことに面白いのである。デザインも面白いし、これだけの機能をこの薄い空間に埋め込む挑戦も面白いし、機能面でも面白い機能が詰まっているし、操作感も独特。個性的という面ではもう相当なもので、最近個性的なデジカメが増えてきたとはいえ、これは別格だ。

 それがペンタックスのOptio Xである。技術とデザインの融合という感じが実に面白い。

レンズ部はレンズスライディングシステムを使った沈胴式

 まず最近では珍しくなった回転レンズ式。レンズやストロボを内蔵するレンズ部と、液晶モニタやバッテリーやメディアを内蔵するボディが分かれていて、回転式の軸で接合されるという構成だ。

ki_main.jpg 基本的な撮影時の姿。ストロボが縦についているのが面白い。この状態だと横長の薄型デジカメといった風

 デザインも凝っていて、レンズ部はレンズ側だけブラック、逆にボディは背面がブラックで、シルバーとブラックがツートンになってなかなかかっこいい。しかもボディ側もレンズ側も角が丸い四角になっており、2つのパーツがひとつの軸で貫かれているようなデザインである。ちょっとレトロな……それも60〜70年代のデザイン家具を彷彿とさせるようなカッコいいレトロさがある。

ki_front.jpg レンズ部とボディ部はツートンカラーに色分けされ、それぞれの角が丸くなっていて、一体感より2つの独立したパーツという印象を与える。それがなかなかかっこいい

 材質は四面すべてがアルミパネルで、質感もいい。

 レンズ部も、京セラの「SL400R」のようにボディに平行にレンズをいれるのではなく、かつてカシオのQVシリーズがやっていた、ボディに対して垂直に沈胴式レンズを内蔵する方式。スライディングレンズシステムならではの薄さに収めてある。

 レンズシステムはおそらくカシオの「EXILIM EX-Z55」やペンタックスの「Optio S5i」と同じだが、厚さはなんと約18ミリでOptio S5iより薄い。レンズ部と液晶モニタを内蔵する本体部を分離したことで、沈胴したレンズ部のみの薄さに出来たのだろう。実際、収納時は前面も背面もフラットで、ノギスで実測したところ十字スティックの出っ張りを除いたボディの厚さは掛け値なしの18.5ミリだった。

 沈胴式レンズのレンズ回転式には一つメリットがある。京セラのSL400Rのような方式だとカメラを正面に構えるためにレンズ部を90度回転させる必要があるが、Optio X式だと未回転の状態で普通のコンパクトカメラとして使え、自分撮りやローアングル・ハイアングル時だけレンズ部を回転させればいいのである。

ki_X-style.jpg 90度レンズ部を回転させるとこんな「X字スタイル」になる。この角度はローアングルやお腹のあたりに構えて撮るときにいい。回転範囲は270度

 そのレンズは35.6〜107ミリ相当の3倍ズームでF2.6-4.8となかなかの明るさ。CCDは1/2.5型の有効画素数500万画素だ。

 撮影距離はノーマルで40センチから、マクロモードで18センチからで、ズーム全域でこの距離までいける。全域で最短撮影距離が変わらないのは非常に使いやすい。さらにスーパーマクロモードにすると焦点距離が10.2ミリ(62ミリ相当)に固定されるが、6センチまで寄れるし画角もマクロ撮影にはほどよい感じだ。マクロ機能は非常に強力だし、レンズ部が回転することでマクロ撮影時のアングル設定も容易になる。これはいい。

ボディ部はほとんどが2インチの液晶モニタで占められる

 レンズ部の幅は5センチ弱、ボディ側は6センチ弱と少しだけ大きなボディ部が搭載する液晶モニタは2インチと大きく、背面のほとんどを液晶モニタが占め、その周りに小さくインタフェースがあるという感覚だ。

 この狭いボディ部に本体を詰め込んだのはすごい。液晶モニタと記録メディア(SDカード)スロットとバッテリーとインタフェースでほとんどスペースは埋まると思うのだが、おそらくは画像処理エンジンなどをレンズ部に入れることで、本体側に余計な回路は入ってないなどの工夫があるのだろう。

ki_back-01.jpg 背面もブラックとシルバーのツートン。液晶モニタが大きく、右手側はかなり窮屈だ。親指を置くための滑り止めがあるのでこのあたりに親指を縦に置き、ズームレバーに指先を置くような感じで持つのがいい。ディスプレイしたにはMENU、Fn、十字スティック、OKボタン(兼ディスプレイボタン)がある

 インタフェースももなかなか面白い。モニタの右側には再生ボタンとズームレバーが縦に並び、下には「MENU」と「Fn」ボタンとクリック付の十字スティックなどが並ぶ。

 デザイン優先のせいでボディ側はかなり窮屈。しっかりグリップすると親指が液晶モニタを少し隠してしまうし、十字スティックは硬めで操作する指先がちょっと痛いくらい。十字スティックの横にOKボタンがあるのに、十字スティックの中央を押してOK代わりに使うこともできるなど「どっちやねん」と思う点もある。

 上面には録音、動画、静止画のボタンがそれぞれあり、EXILIMのダイレクトオン/オフ機能のように直接電源オン/オフにもモード切替にも使えるという仕様だ。電源オン/オフには長押しをする必要があるので慣れるまでは戸惑うし、再生ボタンは電源と連動してないので再生だけしたいときも上面のボタンのどれかを押す必要があるのが残念。再生ボタンも長押しで電源オンできるようにするか、個人的には録音ボタンの替わりに再生ボタンを置いて欲しかったが、ユニークなアイデアである。

ki_top.jpg レンズを90度回転させた状態で撮影した上面。シャッターの横に録音、動画、静止画のモードボタンがあり、それぞれが電源スイッチを兼用している

 このように細かな点で使いづらさや感覚的に使えない点は見受けられるものの、全体としてはよくこの狭いスペースでOptio S5iなどのコンパクトモデルと同等のインタフェースを詰め込んだモノだと思う。

 なお、記録メディアは液晶モニタのちょうど裏側にあり、側面から出し入れする。バッテリーは液晶モニタの反対側で、レンズ部を回転させると出てくるストッパーを外し、裏面全体をパカッとはずして交換する。これだけでも狭いスペースに上手に押し込んであるのが分かる。

ki_battery.jpg レンズを少し回転させるとバッテリー着脱用のレバーが現れる。これを動かして本体の裏蓋を外すとバッテリーがあらわれる。もっとも充電はクレードルで行うのでここを外す必要は、予備バッテリーを持つ時以外はほとんどないはずだ

白トビ黒ツブレ警告機能付き

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