カノープスが久々にグラフィックスカードをリリース。採用したGPUはこれまでのパートナーNVIDIAからライバルATI Technologies製にシフト。かつて「SPECTRA」シリーズで鳴らしたカノープスだけに「ハイパフォーマンス」に期待するベテランユーザーも多いだろう。
しかし、今回投入されるPCI Express対応グラフィックスカード「MTVGA X600Pro」が搭載するのはRADEON X600Pro。AGP対応の「MTVGA 9600XT」にはRADEON 9600XTが実装されている。
ともに、世代的には一つ前のGPUである。最新のRADEON X800XTやRADOEN X700ファミリーを採用しなかった理由について、カノープスは「グラフィックスカードのコンセプトが変化したため」と述べる。
SPECTRAシリーズがターゲットとしていたのは、ベンチマークで好成績を叩き出せるパワーを重視する「ベンチマークプレーヤー」。しかし、時代は流れて、今やベンチマークプレーヤー用のマシンはベンチマークにしか使えない特化PCになってしまった、とカノープスはいう。
「実用的なPCで使えるグラフィックスカードとして、ビデオプレーヤー(A&V目的に特化したPCユーザー、という意)に最高峰の製品を提供していく」と方向転換したカノープス。旧世代ミドルレンジを採用した理由もNVIDIAからATIにGPUを切り替えた理由も「ビデオプレーヤー」にターゲットを絞ったからこその選択であると説明する。
「優れたビデオ出力機能やハイビジョン出力機能などを備えているATIのGPUは、カノープスがグラフィックスカードに求めるコンセプトとベストマッチしている」とA&V利用を意識したMTVGAシリーズ。当然のごとく冷却ユニットにはファンレス構造を採用。薄型大面積のヒートシンク二つをヒートパイプで連結し、カードの表と裏に振り分けて実装する。
製品にはDVI出力コネクタに接続するSビデオ/コンポジット複合ケーブルが同梱され、ハイビジョン出力(D1〜D4)に対応。同梱されているコントロールソフト「FEATHER for A」を利用すると、MTVGAシリーズに直接ハイビジョンTVを接続してPC画面やPCに保存されているコンテンツデをD4 720Pの解像度で表示できるようになる。
FEATHER for AはMTVGAシリーズのために開発されたソフトで、再生画像を全画面で表示してもFEATHERの機能が使えるようにユーザーインタフェースを改良している。従来のFEATHER同様、TV視聴や録画関連の機能もサポートしているので、PCに同社のMTVX2004/MTVX2004 HF/MTVX2004USBを組み込むことで、ビデオデッキPC的操作も可能になる。
MTVX2004シリーズに同梱されているFEATHER2004もインタフェースを大幅に改善された「FEATHER2005」にバージョンアップした。10月27日から出荷されるMTVX2004シリーズからFEATHER2005に切り替わるほか、10月20日以降にMTVX2004シリーズを購入したユーザーは無料でダウンロードできる(事前にユーザー登録が必要)。
従来のMTVX2004ユーザーは、12月上旬に出荷される予定のパッケージ版「FEATHER2005 Premium Edition」(実売予想価格6980円)を購入するか、ダウンロードで入手できる「FEATHER2005」(価格3980円)を入手する。
FEATHER2005 Premium Editionは、FERATHER2005に「おまかせ録画キット」「DVD/MPEG4作成キット」をセットにしたパッケージ。それぞれのキットはダウンロードでも購入可能だ(「おまかせ録画キット」の価格は1000円、「DVD/MPEG4作成キット」の価格はfor MTVX2004で1200円、for MTVX2004USBで1000円)。
FERTHE2005のインタフェースは大幅に変更され、メニュー体系や全画面表示のメニューレイアウトなどは、DO VAIOやWindows XP MediaCenterEditionに近いものになっている。静止画や音楽ファイルも含めた統合コンテンツプレーヤー機能に、デジタル家電で難しい30倍スムーズ再生、テレビ王国を利用したiEPGによるキーワード自動録画機能に加え、ネットワーク配信機能やマルチ同時録画機能もサポートする。
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