今、なぜモバイルマウスなのか――Logitechが語る「本気と情熱」インタビュー(1/3 ページ)

» 2004年12月15日 22時13分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 従来の27MHz帯とは異なる2.4GHz帯無線方式、そして静電方式のスクロールパネルといった従来モデルにはない、新テクノロジーをまとめて搭載してきた、ロジクールの新モバイルマウス「V500 Cordless Notebook Mouse(V-500)」。

 なぜモバイルマウスなのか、なぜ2.4GHz帯無線を採用するのか――ここにロジクールの「本気度」が何となく垣間見えてくる。

 今回、本国Logitechにおいて、このV-500を含むポインティングデバイス製品におけるワールドワイドマーケティング部門を統括するAshish Arora(アシシュ・アローラ)氏に、その本気度を聞いた。

photo Logitech リテール ポインティング デバイス ワールドワイドプロダクトマーケティング部門ディレクター Ashish Arora氏

新技術を複数、モバイルマウスに盛り込んだわけ

ITmedia 今回新たに発表された「V500 Cordless Notebook Mouse(以下、V-500)」は、特徴がいろいろあると思いますが、改めて具体的に教えていただけますか。

Ashish Arora(以下、Ashish) V-500は、LogitechにおけるノートPC用のコードレスマウスの中でもフラッグシップ製品の位置付けとなるモデルになります。具体的には、指でなぞることでスクロール操作ができる静電方式のスクロールパネル、信号到達距離を約10メートルにまで拡大させる2.4GHz帯無線を採用、レシーバーも最小クラスのサイズを実現し本体へ収納可能としたこと、そしてコンパクトで美しいデザインを採用したことなどが挙げられます。

photo V500 Cordless Notebook Mouse

 ターゲットはやはり、ベストな製品を求めるユーザー、ハイエンドなデザイン/性能/携帯性といったことに対して、妥協を許さないユーザーを対象にしています。

ITmedia ではそのうちの一つ「静電方式のスクロールパネル」について、もう少し詳しく特徴や仕組みを教えてください。

Ashish このスクロールパネルは、指でなぞることで操作する――例えばノートPCにおけるトラックパッドや、アップルコンピュータ「iPod」で採用されている――タッチパネルを採用しました。この搭載によるメリットは、スクロールホイールといった物理的部品が外部に飛び出す形で存在しないため、本体サイズ(特に高さ)をコンパクトにでき、かつ従来の製品では本体のサイズ的に制限があり搭載できなかった左右方向へのスクロールもできる4方向対応のものとなっています。

photo 指でなぞるように操作する、上下左右にスクロール可能なスクロールパネル

 また、パネルの上下左右の端を触り続けることにより、スクロールし続ける機能も搭載しています。Logitech製品で言うと、クルーズアップ/ダウンのような機能です。上下左右に対応しているため、従来製品で換算すると、上下左右のスクロール機能に、上下左右ボタンを各一つ、計4ボタン分の機能を一つのデバイスで搭載していることになります。

 さらに突起がなく、プレーンで薄いデザインを実現するのにも一役買っています。

ITmedia そのコンパクトなデザインについて、背面スイッチによりリフトアップし、同時に電源スイッチおよびUSBレシーバ収納も兼ねている開閉ギミックには驚きました。これらデザインや仕組み全般についての開発秘話や苦労した点などはありますでしょうか。

Ashish V-500は、モバイルマウスシリーズのハイエンドモデルとしてラインアップすることから、性能/モビリティ・使い勝手、いずれのポイントも妥協することはしませんでした。これは、それらに対し妥協を許さないユーザーを対象にしていることを意味します。

 その一つとして、リフトアップ時における先端/後端の角度を「7度」としました。ワールドワイドで展開するLogitechでは、全世界における市場において、それぞれの地域にマーケティングチームが存在します。この結果、使用時の腕の角度をも考慮し、自然に操作でき、疲労しにくい角度が導けました。それがこの「7度」なのです。

photo クローズ時とリフトアップ時(下)。この7度という角度が付けられるオープン時には、後部のふくらみが手のひらにフィットすることで、操作性を向上させ、疲労もしにくい。ちなみにクローズ時は左右ボタン内部のマイクロスイッチ(クリック時にカチッとなるスイッチ)にも触れないようになっているこだわりよう

 また、ワイヤレスマウス用としては最小クラスを実現するUSBレシーバーも小型化に貢献しています。レシーバーを収納可能とするには、そのレシーバー分の面積を本体に確保する必要があります。また2.4GHz帯無線の採用により、従来の27MHz帯無線を使用するワイヤレス製品に必要だった「Connect」の作業が不要となったことなどが理由として挙げられます。

独自の2.4GHz帯無線を採用することで得られるメリット

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