“ビジネスをモバイルする”ということ東芝 新型dynabook SSシリーズ(1/2 ページ)

» 2005年01月19日 17時00分 公開
[大出裕之,ITmedia]

ビジネスは人ありき

 塩野七生は「ローマ人の物語」において、オリエント(東方世界)では概して、人が死ぬとその知恵は失われてしまうが、オチデント(西方世界)では概して、死してもその知恵が残る、といった趣旨のことを語っている。幸か不幸かこの論旨は鋭く、オリエントの最果てに当たるこの列島の現代におけるビジネス文化にも当てはまるような気がしてならない。

 ビジネスのキモはなかなか組織には残りにくく、往々にして個人の中にしまい込まれ、それを開示する、いやできる文化にはない、ということだ。今風に言えば、ビジネスプロセスの改善が思うように進まないのは、そういう基底の文化があるからではないだろうか。

 だからといって、別に恥じる必要はない。世界の趨勢を見つつ、我々なりの方法で改善していけばいいだけだ。

 パーソナルコンピュータをユーザーインタフェースとしたITの活用は、人のビジネスレベルを向上させる。言うまでもなく、ビジネスコンピューティングの根本原理だ。だが、分かりきったことであるが故に、案外とおろそかにされてしまっているのではないだろうか?

 人のビジネスレベルを向上させ、成功に導くコンピューティングは、いかにして実現されるものなのか? 少々立ち止まって考えれば、おのずと解は見えるのである。

1985年──ビジネスはモバイルされ始めた

 ビジネスは人と共にある。であれば、人が移動すればビジネスも移動するはずで、ビジネスを支えるコンピューティングファクターもまた、人とともに移動するべきである。

 だが、デスクトップPCの場合は、そうたやすくは移動できないため、人とビジネスがPCのある場所に縛られてしまう。一方、移動が容易なノートPCの場合は、場所の束縛から人とビジネスを解き放つことができるため、ビジネスの自由度と効率化が進み、生産性が向上する。

 1985年、世界で初めて屋外へ持ち出せるラップトップ型のPCが東芝によって開発され、その歴史は始まった。そして今日、日本では購入されるPCの半分以上がノートPCであり、米国でもノートPCの市場比率が上がってきている。

T1100の写真 世界初のラップトップ型PC「T1100」

 大切なのは、モバイルするということではない。どうモバイルするか、である。別の言い方をすると、そのノートPCはどのようなモバイルコンピューティングを可能とするノートPCなのか、が問われるわけだ。

 要素は多岐にわたる。可搬性という点では重量や形状が問題となろう。操作性という点では、画面の大きさやキーボードの在り方、ポインティングデバイスなども問題だ。CPUの排熱処理も大切な要素である。また、昨今のコンピューティング環境においては、ネットワーク接続は非常に重要だ。もちろんコンピューティングパワー(処理能力)も然りだし、ビジネスの現場における存在感(見栄え)もまた、忘れてはいけない。

 ただしこれらは、そのノートPCがちゃんと動いているという前提があってのことだ。真に大切なのは、いつでも必要なときにちゃんと使えるのか、どのくらいバッテリが持続するのか、落としたり水がかかってしまっても、ちゃんと動いたりデータ損傷・消失をできるだけ防いでくれるのか、ハッキングや盗難などに万一あっても情報漏えいは防げるのか、といった広義のセキュリティに関する要素である。

 つまりビジネスをモバイルしようとするなら、ビジネスで必要なときに必要なだけ稼動でき、いざというときにもより安心な備えを持つノートPCを選択するべき、ということなのだ。

キーワードはデータを守ること

 ビジネスのもう一つのキモはスピードだ。だからこそ、情報喪失や情報漏洩につながる不慮のトラブルを未然に防ぎ、PCとして利用できなくなるという最悪の状態を回避し、大切なデータを守れる機能を搭載した新しいモバイルノートPCが必要となる。これこそが、20年にわたって東芝が唱え続けてきた「いつでも、どこでも、誰もが安心して使えるPC」なのである。

 2005年4月には、個人情報保護法も全面的に施行される。企業の致命的ダメージにつながる情報漏洩によるトラブルに対して、企業の対策は急務だ。

 ここで今一度、ビジネスの生産性を飛躍的に高めるための正しいモバイルノートPCの選択について考えてみたい。

どのような点で評価・検討するべきか

 ビジネスをモバイルする。これをノートPCで実践する上で、検討すべき項目は複数存在する。ここではとりあえず要素別に、複数メーカーのモバイルノートPCシリーズを俎上に上げてみた。

バッテリの持続

 Pentium Mに代表されるモバイルノートPC向けCPUの低消費電力化により、バッテリの持続時間は全体的に改善されてきている。B5クラスのモバイルノートPCであれば、4時間を超えるのは当たり前になった。

 かつては、スペック4時間、実動2時間という実態もあったが、Pentium M時代に入ってそのような話は過去のものとなった。バッテリ節約を細かく行うことで、スペック4時間であれば、3時間以上は確実に持つはずである。

 あとはバッテリをどの程度積むか、という設計の問題となるが、決定的な差にはならないのが現状だ。

コンピューティングパワー

 これもまた、Intelの技術に負うところが大きい。モバイルノートPC用のCPUでありながら、それより動作クロックの高いデスクトップ向けCPUと同レベルの計算能力を有する製品が存在するようになった。いかに早くIntelの最新チップやアーキテクチャを採用できているか、という点が、比較のポイントとなるだろう。

落下・衝撃に耐え得るボディ

 ここからが本題。モバイルノートPCの実力差が明確になる。ボディ強度を強調できる製品の場合、実証試験などを行って製品情報ページなどでアピールしているケースがしばしば見受けられる。

 例えば、通常のノートPC以上に強度を持つと思われるものには、IBMの「ThinkPad」、松下電器産業の「Let'snote」(松下には「TOUGHBOOK」という製品ラインもあるが、一般ビジネス用途向けではない)、そして東芝の新型「dynabook SS」などが挙げられるだろう。

キーボードの防滴性

 人はなぜ、精密機器であるPCに向かいつつ飲み食いをすることをやめられないのだろうか。実際、やめられないのである。だとするなら、PCの方が人に合わせ、不測の事態に備えるべきである。

 ThinkPadでは、キーボードにある程度の液体がこぼれても動作に支障をきたさないようなボディ構造となっている。一方新型dynabook SSでは、キーボードにある程度までの液体がこぼれても、作業データを保存し、PCをシャットダウンするまでの時間的猶予を確保できるような設計となっている。

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