「いいとこ観」機能でスポーツ番組を短縮再生──日立製作所「Prius Deck DS75L」(1/2 ページ)

» 2005年02月02日 17時37分 公開
[寺崎基生,ITmedia]

23インチ液晶「Wooo」ディスプレイのAV機能特化PC

 画質で定評のある日立製作所の液晶TV「Wooo」をPCのディスプレイとして組み合わせたのが、2005年春モデルのPrius Deck DS75L。DS75LはPrius Deck Lシリーズの上位モデルで、下位モデル「DS73L」には17インチ液晶ディスプレイがセットされている。

 Prius Deckは、2004年のモデルからPC本体とセットになるディスプレイ内蔵のTVチューナーをあわせた「Wチューナー」をセールスポイントにしており、2004年夏モデルのDS75Jでは、2台のチューナーを活用した裏番組録画(複数同時録画でないことに注意)を大きくアピールしていた。

Prius Deck DS75L

 ニューモデルのDS75Lは、液晶ディスプレイに内蔵されているチューナーに加え、PCには2台のチューナーユニットを実装したキャプチャーカード一枚が搭載された「トリプルチューナー」モデルになっている。

 DS75Jではディスプレイ内蔵チューナーで1つの番組をリアルタイムで視聴し、PCに組み込まれたチューナーで裏番組を録画し、従来モデルのDS75KはPCに組み込んだ2枚のキャプチャーカードに実装したチューナーユニットで、視聴している番組と裏番組を同時に録画できた。

 今回の「トリプルチューナー」ではリアルタイムで視聴すると同時に、裏番組「その1」と裏番組「その2」が録れる。DS75K同様「インスタントプレイ機能」がサポートされているので、見るだけなら今までどおりPCの電源を入れる必要はない。

 「Wooo」ブランドを頂く液晶ディスプレイの映像は確かに美しい。ただ、先日紹介したシャープの「AVセンターパソコン」Mebius TXの26インチ液晶ディプレイから受けた印象と比べると、Priusの23インチというサイズは、リビングで使うことを考えると少し小さめであるようにも思える。

 書斎など自分専用のやや閉じられた狭い空間で、PCとして利用するユーザーも多いと思うが、ディスプレイがコンパクトなので、Mebius TXとは違い、普通のビジネスデスクに置いても画面の迫力に圧倒されることはない。

 ディスプレイの最大解像度は1280×768ドット。画面の端にTV番組をコンパクトモードで表示しながら、残りのエリアをPCのデスクトップとして利用するには、ちょうど都合のよいサイズである。

Woooの名を頂くディスプレイの画質は美しい。ただ、リビングで大勢が見るにはサイズが少し小さいだろう。インタフェースは充実しており、3系統のビデオ入力にコンポーネントとPCの入力が設けられ、ビデオ入力の1系統とコンポーネント入力にはそれぞれD4端子が用意されている

 ケースの前面は、シルバーとブラックのツートンパネルで光学ドライブやUSBなどのフロントインタフェースをきれいに隠している。Mebius TXほど徹底した「PC離れのデザイン」ではないものの、リビングなどに置いても違和感はないだろう。ただし、カバーパネルを閉じた状態ではHDDや光学ドライブのアクセスランプも隠れてしまって見ることができない。

印象的なツートンカラーのパネルをあけると各種インタフェースが使えるようになる。デザイン的には優れたカバーパネルだが、使い勝手と使っているときの見た目を考えると、そろそろ違うアイデアが登場して欲しい気持ちもある

ピクセラの新製品、高画質Wチューナー搭載のキャプチャーカード「PIX-MPTV/P8W」を搭載

 このように、フロントデザインに凝ってはいるが、Prius Deck Lの筐体そのものは、一般的な省スペースのmicro ATXケースである。背面にある2つのローレットスクリューを外し、カバーをスライドさせると、サイドカバーが取り外せる。

 筐体を開けて目に飛び込んでくるのが、Pentium 4 530を冷却する大型CPUクーラーだ。AVC製のクーラーユニットは、1450rpm程度のやや遅い回転数にコントロールされており、その動作音はかなり低い。

 Web閲覧やメール、オフィスアプリなどの軽負荷処理では、CPUの温度も摂氏34度程度に抑えられている。この状態でファンの音はほとんど聞えない。電源は、AcBel製の容量250ワットの小型ユニットだ。

 マザーボードは、Intel 915GVチップセットを搭載するギガバイトのGA-8I915GPR-HT。拡張スロットはライザーカードで供給されるが、そのライザカードには3本のPCIスロットが設けられており、モデムとWチューナーを搭載したキャプチャーカードが差さっている。

 2004年秋モデルのDS75Kでは、チューナーユニットを1つ載せたキャプチャーカードを2枚組み込んでいたが、DS75Lではチューナーユニットを2つ載せたキャプチャーカード1枚に変更されたためだ。

2004年秋モデルのDS75Kでは、2枚のキャプチャーカードを組み込んでいたが、DS75Lは1枚のキャプチャーカードにチューナーユニットを2つ実装。そのおかげでPCIスロットに空きが1つできた

 新しく採用されたこのキャプチャーカードには、ピクセラの「PIX-MPTV/P8W」と印刷されている。型番がチューナーユニット1つの高画質モデル「PIX-MPTV/P4W」と似ており、そのアップグレードアップモデルかと思ってしまうが、実際にはまったく別のカードである。

 詳細が公開されていないため、正確なことはまだ不明であるが、外観から見た限りでは、MPEGエンコーダに、最近アイ・オー・データ機器の製品に採用されたViXSのXcodeUを搭載していることが確認できる。

 ダブルチューナーでエンコーダチップがひとつだけ、というのに違和感があるかもしれないが、実装されているエンコーダチップはデュアルエンコード対応の上位モデルXcodeU-Lが採用されている。おそらく、国産のキャプチャーカードでは初めての採用だろう。

 GRTはPIX-MPTV/P4Wと同じNEC「μPD64031A」であり、チューナーもPIX-MPTV/P4Wと同様の日立製ユニットが2つ搭載されている。アンテナ端子は1つだけで内部で両チューナーへ分岐されているため、アンテナ分岐パーツが不要。おかげでケーブルの取り回しがシンプルになってありがたい。

 視聴、および録画の画質は良好。永久保存版として録画するにも、DVDオーサリング用の素材として使うにも問題ない。録画画質は、ビットレート平均6Mbpsの最高画質、同じく平均3.5Mbpsの標準設定、平均2Mbpsの長時間設定の3種類から選択可能だ。

MPEGの2チャネル同時エンコードに対応するXcodeU-Lを搭載。XcodeUは、2Mbps以下の低ビットレートにおける画質も高く評価されている

多様なコンテンツを一元管理できる「Prius Navi Station 3」

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