2月17日に行われた「AMD64+Windows x64 プレスカンファレンス」では、これまでもAMD64関連イベントで登場してきた「IBM」「ヒューレット・パッカード」といったハードウェアメーカーだけでなく、「マイクロソフト」「トレンドマイクロ」などのソフトウェアベンダーも登場。ハードソフトの両面からAMD64と64ビットコンピューティングのメリットをアピールした。
日本AMD代表取締役社長の堺和夫氏は「32ビットと64ビットの共存とスムーズな移行」「CPUへのメモリコントローラ内蔵とHyperTransportといったハードウェアの工夫」といった、これまでも繰り返してきたAMD64のメリットを紹介。
「これからはPCにもフォーカスしていく」とOpteronによる好調なサーバ市場だけでなく、2004年後半から勢いをつけてきたPC市場でも64ビットコンピューティングを普及させることを2005年の主要な目標と置き、「Windowsの64ビット対応がAMD64の普及に大きな後押しとなる」(堺氏)と、64ビットコンピューティングにマイクロソフトのサポートが欠かせないと述べた。
日本AMDのCPGフィールド・マーケティング部部長秋山一雄氏は、先日発表されたOpteron 852、同252、152の特徴を紹介。SSE3への完全対応やHyperTransportの動作クロックの向上(800MHzから1GHz)に加えて、今回からサポートされた「PowerNow!」による消費電力の削減をとくにアピール。
「旧式サーバをリプレースしたいのに、サーバルームの電力容量が少ないためあきらめていたクライアントが、PowerNowをサポートするOpteronによって、サーバの刷新が可能になる」(秋山氏)と説明し、低電力でも64ビットコンピューティングサーバシステムが実現するAMD64のメリットを紹介した。
秋山氏はWindows x64 Editionの登場によって、国内のx86サーバ市場で圧倒的シェアを誇るWindowsの64ビット対応はAMD64の普及を促進するだけなく、64ビット対応のアプリケーションも数多く登場するようになると述べ、従来の企業における基幹システムでAMD64の普及が進むだけでなく、コンシューマーPC市場でも64ビットコンピューティングが求められるようになると説明。
「Windows x64 Editionの登場はクライアントPCでもAMD64の普及を加速させる。コンシューマーでは、HD Videoなどで要求される広帯域データのために64ビットコンピューティングが求められるだろう」(秋山氏)
ハードウェアメーカーとして登場したのは、日本ヒューレット・パッカード(HP)と日本IBM。日本HPは、サーバビジネスの主力ラインアップである2U&2Wayサーバ製品でOpteronを採用するなど、主要な製品でAMD64のラインアップを積極的に拡大していくことを表明。
IBMは「AMD64の登場当初から32ビットと64ビットの動作が保証されたベストソリューションと評価していたが、Windows x64 Editionの登場で、その評価はますます高くなっている」としたうえで、社内で評価したベンチマーク結果を前に「32ビット1wayの状態でもXeonを上回るパフォーマンスを出している。これが64ビット2Way4Wayになると、この差はもっと広がるだろう」とAMD64とWindows x64 Edtionへの期待を述べている。
ある意味、今回のカンファレンスの主役とも言えるマイクロソフトはWindows x64 Edtionのラインアップとして「Windows Server 2003 Datacenter x64 Edition」「同 Enterprise x64 Edition」「同 Standard x64 Edition」「Windows XP Professional x64 Edition」を紹介。
WOW64による32ビット対応アプリの動作や32ビットと64ビットアプリの共存、64ビットへの対応によるパフォーマンスの向上などの特徴を紹介し、これらのパッケージを今年の5月中旬から順次出荷していくと説明した。
このほか、トレンドマイクロはウイルスバスターシリーズの64ビット対応スケジュールを紹介。コーポレートエディションは5月に予定されているメジャーバージョンアップ「7.0」で64ビットに対応、Linux向けのServerProtectは12月登場予定の「2.0」で、コンシューマー向けのウイルスバスターは今年後半登場予定の「2006」でそれぞれ対応することになっている。
また、64ビットへ対応の恩恵を最も享受するだろう、3Dグラフィックスの世界では、LightWave 3Dを販売するディ・ストームが、昨年12月にロサンゼルスで公開された64ビット対応 LightWave 3Dベータ版を使ったデモを披露。大量のオブジェクトにスムーズにレンダリングできる処理を紹介した。
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