死のブルースクリーンからPCを救うiPodソフト

» 2005年03月09日 14時56分 公開
[IDG Japan]
IDG

 ノートPCがクラッシュした場合、データを復旧するには何を使うのがベストだろうか。あるIBMのエンジニアが使っているのはiPodだ。

 IBMのUSA PartnerWorldカンファレンスで、スティーブ・ウェルチ氏はiPod上のソフトを使ってクラッシュしたThinkPadを復旧した。ソフトの名前は「One-touch Rescue & Recovery On Linux」。まだ発表されていないIBM製品だ。

 ウェルチ氏は、このiPodベースのソフトを使えば、1時間程度でハードディスクを再構築して、電子メールやLotus Notesなどのデータにすぐにアクセスできると語った。「これは私にとって朗報だ」

 実はこの技術は以前からあるもので、iPodとLinuxという点が新しい。

 IBMのデスクトップPCとノートPCには2003年以来、Xpoint Technologiesのソフトが標準搭載されている。このソフトはライセンスを取得してほかのPCで使うこともできる。IBMはこの技術を「IBM Rescue & Recovery」と呼んでいる。同社のThinkVantageプログラムに含まれるもので、ユーザーはシステムが起動しない場合でもPCに自力でアクセスできる。

 そうした場合、ユーザーは青いAccessキーボタンがあるIBM PCではこのボタンを押し、このソフトが動作するほかのPCではF11キーを押してRescue & Recoveryにアクセスする。同ソフトはBIOSレベルで動作してシステムを制御できるようにする。これによって、以前に保存しておいたファイルやフォルダ、システム全体のイメージを復元することが可能になる。同ソフトは診断ツールや、BIOSセットアップなど基本システム情報の表示機能などを備えている。

 ただし、同ソフトはハードディスクが完全にクラッシュした場合には機能しない。

 Xpoint TechnologiesのソフトはPCのハードディスク上のデータを、OSがアクセスできない隠しパーティションか、外部デバイスにバックアップする。最初にバックアップするときはシステム全体をバックアップし、以降のバックアップ時には変更されたデータのみを対象とする差分バックアップが行われる。バックアップデータにはRescue & Recoveryソフトからアクセスできる。このソフトはWindowsから独立して動作し、最初のイメージはPCのセットアップ時にDOS上で取得される。

 面白いことに、Xpointの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるフランク・ワン氏は、最初のIBM PCを開発したオリジナル技術チームの一員だった。

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