中国における検索サイト大手「百度」に対抗すべく、Googleが中国ユーザー向けサーバを中国国内に設置し、その代償としていくつかのアクセスを制限する新サービスを開始することは、ITmediaでもすでに報じられている。中国におけるGoogleのサービスはどう変わるのか? 日本で使うGoogleと中国で使うGoogleはどう異なるのか?早速、中国でGoogleにアクセスしてみた。
中国国内にGoogleのサーバが実在するのかを確認するために、「traceroute」(tracert)コマンドを使って中国国内にあるPCから相手先までのルートを調査した。2005年3月時点では、外国のゲートウェイを通過していたが、このニュースが報じられた後では、外国のゲートウェイを通過していない。このことからも、中国Googleのサーバが中国国内に移転したことが伺える。
では、中国ユーザー向けのGoogleは、ほかの地域とどう違うのか? 以下の4パターンの方法で中国からGoogleを使ってみた。
この4パターンで中国と日本それぞれのGoogleにアクセスして、Googleのトップページで提供されるサービス項目にどのような違いがあるのかを確認してみた。
中国のGoogleと日本のGoogleのトップページでは、従来からあるローカルメニュー以外に目立った違いはない。しかし、Windows XP 中国版で中国のGoogleにアクセスする「中国ユーザーの典型的なGoogle」のトップページから詳細メニューにアクセスしたとき「のみ」、ブログサービスがメニューに表示されない(ただし、現在のところ、中国からWindows XP 日本語版でhttp://www.google.com.cnにアクセスすると詳細メニューでブログサービスを目にできる)。
さらに、直接URLを入力すればWindows XP 中国版でもブログサービスにアクセスが可能だ(ただし、http://googleblog.blogspot.comは、OSの日中問わず中国からアクセスできなかった)。Gmailについても、アクセスだけでいえば問題ない。
ところで、今回の報道が出る直前に、奇妙な画面に出くわしているのであわせて報告したい。中国から「ある」プロキシサーバーを経由してGoogleにアクセスすると、数日前から以下のような画面が出るようになった。
経由するプロキシサーバによって、この画面が出るものと出ないものがある。問題なくGoogleにアクセスできるプロキシがある一方で、アクセスが阻まれるプロキシが存在するようだ。Googleにアクセスできないプロキシを経由せず、直接アクセスするように設定を変更してGoogleにアクセスすると今度は何の問題もなく表示される。
ちなみに、Googleにアクセスできないプロキシを経由してGoogle以外のサイトをいくつかアクセスしてみたが、同じ画面が表示されることはなく、普段「グレートファイアウォール」で遮断されているドメインのWebサイトも見ることができる。
もちろん、いくつとも知れぬ「遮断されたドメインのサイト」をすべてチェックしているわけではないので、「Google以外はすべて問題ない」と断言することはできない。
この「奇妙な画面」に表示されているメッセージをを大まかに翻訳すると以下のようになる。
「X ネットワーク訪問情報:このページを表示できません」
「解説 ページ検索タイムアウト」
「以下のことを試してください」
「更新:(以下詳細な説明)」
「正しいURLか確認:」(以下詳細な説明)
「リンクから訪問:」(同じく詳細な説明)
「WEBページに連絡:」(同じく詳細な説明)
「もし、まだ目的のページにたどり着けなかったら、
ネットワークの管理人かサポートに聞いてください」
「技術情報−サポートに伝えてください」
「コードエラー64:メインマシンは使用不可」
「背景情報:ゲートウェイかプロキシサーバがWebの接続を切断」
「日時:2006-1-19」
「サーバ:sy-zhongxin」 (zhongxinは中国語の発音で“中心”)
「ソース:リモートサーバー」
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