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» 2006年02月11日 00時15分 UPDATE

勝手に連載!「海で使うIT」:進化する「IT航法」をボートショーで体感する (1/3)

業界関係者から「あんたいったい何しにきたの」といわれ、編集部からは「あんたいったい何しにいくの」といわれながらも、今年も来ましたボートショー。遊びじゃないよ仕事だよ、といったところで誰も信じてくれません。

[長浜和也,ITmedia]

 2月9日から12日まで幕張メッセで行われる「2006 東京国際ボートショー」はプレジャーボート業界の見本市だ。そのため、ヨットやパワーボートといった船体に始まって、エンジン、レーダー、魚群探知機といった「おいおい、ITmediaとは関係ないだろう」といった展示が中心となる。

 しかし、(この一連の連載で繰り返し述べているので恐縮であるが)一見関係がないように見える「ヨットとIT」で、PCが利用される場面は意外と多かったりする。Webサイトからの海況情報、航路情報の入手はもはや「スキッパーの常識」であるし、GPSプロッタとオートパイロットを組み合わせれば、港から港までの「自動操船」も可能など、プレジャーボードユーザーとITの関係はかなり密接である。

 昨今におけるフローティングヨットショーの盛り上がりによって、実艇展示が減りつつあるボートショーであるが、上記のような状況もあってか、GPSプロッタやレーダー、魚探といった電子航海機器の展示ブースは活況を見せている。

 ここでは、今年のボートショーの展示から「PCと組み合わせて利用する」電子航海機器を紹介する。

S-63対応ナビゲーションソフトとAISライブデモに注目

 ENCを利用するプレジャーボード向け電子航海ソフト「アルファマップ」を開発販売しているピーシースタジオアルファのブースでは、昨年春からENCに導入された電子海図暗号化規格「S−63」に対応した新バージョンの「アルファマップ」シリーズと、そのアルファマップにAIS情報をリアルタイムで表示するデモが行われている。

 AIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)とは船の運航情報(船名や、GPSで取得している位置、針路、船速、目的港など)をVHFを使って発信する装置で、AIS受信機を組み合わせた対応表示装置を使えば、目の前を横切ろうとしている本船の針路と速度を知ることができる。

 アルファマップの上位製品「アルファマップ・プロ」は、このAIS情報を表示する機能を組み込んでいて、別売りのAIS受信機とアルファマップ・プロをインストールしたPCを接続すれば、ユーザーは自分のヨットの予想針路(自艇で受信しGPSデータから算出したもの)と、AISで取得した他船の予想針路を照らし合わせて、衝突の可能性を知ることができる。

 以前は、レーダーとレーダー重畳表示に対応した高価なGPSプロッタを組み合わせなければ、このような機能は実現できなかったが、AIS受信機を利用すれば比較的安価(一緒にブースを構えていたイーチャートが扱っているAIS受信機「AIS RX YACHT」は約14万円)で可能になる。レーダーと比べて消費電力がかなり少ない(イーチャートスタッフの説明によるとAISレシーバの消費電力はミリアンペア時単位とのこと)ので、バッテリーに依存する小型ヨットで常時運用できるメリットも大きい。

kn_bshwamapais.jpg アルファマップ・プロにAIS情報をリアルタイムで表示するデモ。受信したAIS情報から船名や速度と針路を示すベクトルが表示されている。取材当日は関門海峡のデータを表示していたが、週末は東京湾のAISデータでデモが行われる予定だ

kn_bshwaisrev.jpg 一緒にブースを出していたイーチャートが扱っているAIS受信機。左はGPS内蔵で右はGPSを内蔵しない代わりにレーダー表示装置と接続するRS-422インタフェースを持つ。大きさは「4ポートブロードバンドルーター」程度と小さく、小型艇でも設置場所に困らない

kn_bshwalmapkey.jpg アルファマップ・プロのデモシステムではJRCの舶用GPSプロッタ専用防水コンソールをPCで使えるようにした「評価機」で操作を行っている。イーチャートではキートップ刻印を変更した「アルファマップ専用コンソール」を、アプリケーションとセットにして春頃から出荷する予定。残念ながら単体販売の予定はない

「うみざんまい」はG'zOne TYPE-Gでも利用可能に

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