アイ・オー、HDMI×2/D5対応の24.1インチワイド液晶「LCD-MF241X」シリーズを正式発表PC、AV、ゲーム、DTPまでこれ1台(1/2 ページ)

» 2007年06月26日 20時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

 アイ・オー・データ機器は、AV入力対応の24.1インチワイド液晶ディスプレイ「LCD-MF241X」シリーズを8月上旬より発売すると発表した。ラインアップは2モデルあり、「LCD-MF241XWR」はナチュラルホワイト、「LCD-MF241XBR」はマットブラックのカラーを採用している。これらは、6月6日から段階的に製品情報が開示されてきた製品で、今回の発表ですべての仕様が明らかになった。価格は14万4900円で、実売予想価格は13万円前後だ。

「LCD-MF241XWR」(写真=左)と「LCD-MF241XBR」(写真=右)

アイ・オー・データ機器 液晶ディスプレイユニット プロダクトリーダー兼グループリーダーの杉森知祥氏(写真=左)によれば、2006年6月に発売された「LCD-TV241X」シリーズの不満点や市場ニーズに応えた製品が、「LCD-MF241X」シリーズという(写真=中央、右)

NTSC比92%の広色域で他社のHDMI搭載機と差別化

広色域のCCFLバックライトにより、NTSC比92%の色域を実現。緑や青の鮮やかな表示が可能となった。

 ボディカラー以外の仕様は2モデルとも共通だ。液晶パネルは1920×1200ドット(UXGA)表示のノングレアタイプで、VA方式を採用。従来製品の「LCD-TV241XBR-2」と比較して、NTSC比の色域を72%から92%に拡張している(Adobe RGB比では約96%の色域をサポート)。

 基本スペックは、表示色が約1677万色(RGB各8ビット)、輝度が400カンデラ/平方メートル、コントラスト比が1000:1、視野角が上下178度/左右178度だ。応答速度は黒→白→黒が16ms、中間階調がオーバードライブ回路の搭載により6msとなる。RGB各8ビットの映像入力信号を10ビットに多階調化してから、最適な8ビットの信号に割り当てて出力する10ビットガンマ補正機能により、階調表現の精度を高めている。

 映像入力端子は、PC用に1系統ずつのHDCP対応DVI-DとD-Sub(アナログRGB)、AV用に2系統のHDMIと、1系統ずつのD5、S-Video/コンポジットビデオを搭載。音声入力は、DVI-DとD-Sub用に1系統ずつのステレオミニ、D5用にRCAステレオ、S-Videoとコンポジットビデオ共用で1系統のRCAステレオを備えている。音声出力は、2.5ワット+2.5ワットのステレオスピーカーとステレオミニのヘッドフォン端子を持つ。USB 2.0ハブ機能もあり、3基のダウンストリームポートを用意している。

液晶パネル部の背面にインタフェースが集中している(写真=左)。左側面にUSB 2.0のダウンストリームポートを3基用意(写真=中央)。操作ボタンはタッチセンサー式になっている(写真=右)

 本体サイズは566(幅)×228(奥行き)×418〜488(高さ)ミリ、重量は約10.8キロだ。画面の位置調整は、上30度、下5度のチルト、左右350度のスイベル、約70ミリの昇降に対応。液晶パネル部の背面には、VESAマウント規格に準拠した100ミリピッチのネジ穴が設けられている。

チルトとスイベル、高さ調整に対応したスタンドを採用する(写真=左)。LCD-MF241XBRの背面(写真=中央)とLCD-MF241XWRの背面(写真=右)。ボディカラーはマット調の黒もしくは白で統一されている

ゲームやDTPを想定した設定も用意

 LCD-MF241XWRとLCD-MF241XBRは、PCやAV、ゲーム、DTPといった多目的に利用できるように、用途別の画質モード(標準、映画、ゲーム、写真、文字、DTP)を用意。「ゲームモード」では、映像の処理を最小限にとどめることで、ゲーム操作中のレスポンス遅延を抑える。ゲームモード中でもアスペクト比は設定可能だ。

「ゲームモード」は画像処理の一部を排除し、ゲーム操作のレスポンスを向上させる(写真=左)。PCをDVI-D、プレイステーション 3をHDMI、Xbox 360をD-Subで接続するデモ(写真=中央)。デジタル一眼レフカメラのAdobe RGBモードで撮影した写真を広色域のまま表示できるというデモ(写真=右)

 また、国内でカラーマネジメントソリューション製品を販売する恒陽社グラフィック事業部の協力を得て、MacによるDTP業務を想定した「DTPモード」も追加した。DTPモードでは、色温度が5000K、輝度が80カンデラ/平方メートル、ガンマ値が1.8に設定される。ガンマ値は-1.6〜2.4の範囲で0.2刻みに調整できるほか、sRGBの設定も用意されている。

「DTPモード」はDTP作業を行うのに最適な設定(写真=左)。恒陽社が国内販売するハードウェアキャリブレーターの「Eye-One Pro」シリーズと組み合わせた例(写真=中央)。デモを行った恒陽社 グラフィック事業部 営業推進部 マネージャーの永島孝也氏によれば、LCD-MF241Xシリーズは、24インチワイド画面、優れたガンマ特性、広色域、低輝度設定、表示ムラの低減、オプションの遮光フード、高いコストパフォーマンスといった理由により、プロにもおすすめできるという(写真=右)

 動画の画質向上機能としては「MFコア」を搭載する。MFコアとは、白飛びや黒つぶれを抑える「ACC(アドバンスト・コントラスト・コントロール)」、圧縮ノイズを低減する「ブロックノイズ除去」、コンポジットビデオ入力時の色にじみや輪郭のざらつきを減らす「3D Y/C分離」、映像全体のノイズを抑える「3D N/R」といった機能の総称だ。

 スケーリング機能は、HDMIとD端子で1080i/p、720p、480i/pの入力信号をそのままの解像度で表示する「ドットバイドット」の設定が可能。PC入力時には、入力信号の解像度を2倍に拡大して表示する「ドット2倍ドット」の設定も行える。また、アスペクト比を無視した全画面拡大表示や、アスペクト比を維持した状態での拡大表示もサポートしている(アスペクト比の詳細はこちら)。

 入力した2系統の映像を親画面と子画面で表示するPinPにも対応する。子画面は3段階のサイズから選べるほか、表示位置も変更可能。入力した映像のアスペクト比は子画面でも維持される。また、子画面は透過率を設定でき、同社ではこの機能を「アクアPinP」と呼んでいる。

ドットバイドットやドット2倍ドットの設定が可能(写真=左)。外部デジタルTVチューナーの1080i映像をドットバイドットで表示したデモ(写真=中央)。PinP機能で子画面を透過表示させた例(写真=右)

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