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» 2014年01月22日 12時15分 UPDATE

注目PC徹底レビュー:「FMV LIFEBOOK SH90/M」――Ultrabookと旧型モバイルPCの融合を目指した“欲張り”な13.3型ノート (1/4)

薄くて洗練されたUltrabookがモバイルノートPCの主流になり、得られたものもあったが、損なわれたものもあった。新世代と旧世代のよさを兼ね備えた欲張りな1台はできないものか? この難題に挑んだ、富士通の「FMV LIFEBOOK SH90/M」をチェックする。

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
ココが「○」
・2560×1440ドットの13.3型IGZO液晶
・内蔵デバイスを選べる着脱式ベイ構造
・豊富な端子類、バッテリー交換可能
ココが「×」
・13.3型モバイルPCでは比較的重い
・パームレストがやや狭い
・バッテリーカバーが少々貧弱

はじめに:Ultrabookが削ぎ落した仕様を諦めたくないユーザーへ

tm_1401_sh90m_01.jpg 富士通の「FMV LIFEBOOK SH90/M」

 富士通の「FMV LIFEBOOK SH90/M」は、13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載する高機能なモバイルノートPCだ。

 Haswellこと第4世代CoreのUシリーズ、13.3型ワイドで2560×1440ドット表示の高精細IGZO液晶と、最新トレンドを押さえつつ、近頃のモバイルノートPCでは省かれがちな光学ドライブや増設用バッテリー(別売)を収納できる着脱式ベイ構造「モバイルマルチベイ」も兼ね備えているのが大きな特徴だ。店頭モデルは2種類のカラーで展開されるが、今回はスパークリングブラックのモデルを入手した(もう1色はアーバンホワイト)。

 本体サイズは約319(幅)×215(奥行き)×13.6〜19.8(高さ)ミリだが、これは突起部除いた寸法だ。実際は奥側のバッテリーが張り出しているため、最も厚い部分で27ミリほどある。最近の13.3型モバイルノートPCとしては厚みがあり、重量も軽くはない(最軽量構成のベイカバー装着時で約1.48キロ、光学ドライブ装着時で約1.59キロ)。

 つまり、SH90/MはUltrabook級の薄さに固執せず、長時間のバッテリー駆動や着脱式ベイ構造による利便性を優先した設計にこだわっているのだ。標準バッテリーは77ワットアワーと容量に余裕があり、公称の駆動時間は約21.1時間と長い。さらに増設用バッテリー利用時は公称で約28.1時間と、より長時間駆動のニーズに応える。

 インタフェースも豊富だ。USB 3.0を3基搭載し、SDXC対応のSDメモリーカードスロット、HDMI出力に加えて、有線LANやアナログRGB出力も装備している。最近のモバイルノートPCでは、USB 3.0は2基に限られ、有線LANやアナログRGB出力が省かれる傾向にあるが、こういった仕様に不満を感じていた方にはありがたい配慮だろう。

 高精細なIGZO液晶に加えて、基本スペックもUltrabookで採用例の多いCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)、4GバイトのDDR3Lメモリ(PC3L-12800)、500GバイトのハイブリッドHDDと、最新の高性能かつ電力効率の高いパーツで構成しており、キーボードやタッチパッドの操作性もよく、使用感は快適といえる。

 従来のモバイルノートPCからUltrabookが削ぎ落してきた部分を諦めず、いまだニーズがある機能は積極的に載せていくという、強い意志が感じられる新世代のオールインワンモバイルノートPCだ。

ボディと製品概要:Ultrabookのアーキテクチャをベースに多機能を詰め込む

tm_1401_sh90m_02.jpgtm_1401_sh90m_03.jpg 今回入手したスパークリングブラックのモデルは、シルバーとブラックのツートーンを基調にしたカラーだ(写真=左)。キーボードベゼル/パームレストのエッジにはダイヤモンドカット加工が施されており、外光を反射してキラキラと輝く。トップカバーはフラットなフォルムで、ラメ入りのブラックで塗装されている(写真=右)。天面中央にミラー加工のブランドシンボルを配置したシンプルなデザインは、上品で好感が持てる
tm_1401_sh90m_04.jpgtm_1401_sh90m_05.jpg 本体サイズは約319(幅)×215(奥行き)×13.6〜19.8(高さ)ミリ(突起部を除く)。一見、Ultrabookのような薄型ボディだが、後方にバッテリーが張り出しているため、最厚部の実測値は27ミリほどあった。また、側面にデバイス着脱式のモバイル・マルチベイがあり、少しゴツさを感じる(写真=左)。バッテリーカバー周囲の素材は樹脂製で少々チープな印象がある(写真=右)。重量は最軽量構成のベイカバー装着時で約1.48キロ、光学ドライブ装着時で約1.59キロだ
tm_1401_sh90m_06.jpgtm_1401_sh90m_07.jpg 13.3型ワイドの画面には、IGZO液晶ディスプレイを採用しており、2560×1440ドット、画素密度約221ppiの超高解像度表示に対応する(写真=左)。ドットを感じない精細な表示だ。表面には10点対応の静電容量式タッチパネル(光沢仕上げ)、画面の上には約92万画素のHD Webカメラも装備している。液晶ディスプレイのチルト角度は約140度まで開く(写真=右)。
tm_1401_sh90m_08.jpgtm_1401_sh90m_09.jpg アイソレーションタイプの6列キーボードを搭載(写真=左)。キーピッチは19(横)×18(縦)ミリと余裕がある。キーストロークは約1ミリと浅いが、たわみなどはなく、打感は良好だ。ただし、この13.3型ノートPCにしてはパームレストがやや短い(長い部分で実測約65ミリ)点は好みが分かれそうだ。キートップの側面を別の色で着色したサイドカラードキーを採用する。パームレストにはスライド式の指紋センサー、キーボードの右上には電源ボタンとECOボタンを備えている。タッチパッドは左右ボタン一体型のいわゆるクリックパッドを採用(写真=右)。サイズは97(横)×59(縦)ミリと十分で、指の滑りがよく、ボタンのスイッチもクリックパッド型では安定しているほうだ。シナプティクスのドライバ(ClickPad V8.1)により、2本指での上下/左右スクロールや拡大/縮小、Windows 8.1のエッジスワイプなどのジェスチャーに対応する
tm_1401_sh90m_10.jpgtm_1401_sh90m_11.jpg 前面は左右にステレオスピーカー(DTS UltraPC II Plus対応)がある(写真=左)。音声出力のパワーは標準的なノートPCといった印象だ。右寄りにSDXC対応SDメモリーカードスロット、電源やバッテリーの状態、HDDアクセスなどを示すインジケータがある。背面にはバッテリーが装着されている(写真=右)
tm_1401_sh90m_12.jpgtm_1401_sh90m_13.jpg 左側面は、手前からUSB 3.0(電源オフチャージ対応)、HDMI出力(4096×2304ドット対応)、D-SubのアナログRGB出力、中央のやや奥よりに排気口、1000BASE-Tの有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力がある(写真=左)。モバイル・マルチベイを装備する右側面は、ベイの手前側にヘッドフォン/マイク兼用端子、USB 3.0があり、ベイの奥側にもUSB 3.0とセキュリティロックスロットを配置する(写真=右)。通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LANとBluetooth 4.0+HSも標準搭載する
tm_1401_sh90m_14.jpgtm_1401_sh90m_15.jpg 右側面のモバイル・マルチベイは、底面にロックレバーがあり、標準でDVDスーパーマルチドライブとベイカバーを付け替えられる(写真=左)。携帯時はベイカバーを付けることで、重量を約1.59キロから約1.48キロに抑えることが可能だ。バッテリー部分は樹脂製の小さなカバーがツメで固定されており、これを外すとバッテリーパックが露出し、レバー操作で着脱できる(写真=右)。バッテリーは標準で77ワットアワーと大容量を搭載し、公称の駆動時間は約22.1時間だ。スティック型でカバンなどに収納しやすいACアダプターが標準で付属する。実測でのサイズは32(幅)×135(奥行き)×28(高さ)ミリで、重量は238グラムだった
tm_1401_sh90m_16.jpgtm_1401_sh90m_17.jpgtm_1401_sh90m_18.jpg スタート画面には、FUJITSUアプリとして、独自のクラウドサービス「My Cloud」などのタイルも用意されている(画像=左/中央)。標準状態のデスクトップ画面は、画素密度が約221ppiと高いディスプレイなので、約200%の拡大表示になっている(画像=右)。もちろん、設定で拡大率は変更可能だ(詳しくは後述)
tm_1401_sh90m_19.jpgtm_1401_sh90m_20.jpgtm_1401_sh90m_21.jpgtm_1401_sh90m_22.jpg プリインストールのアプリ群。富士通のFMVシリーズということで、Microsoft Office Home & Business 2013をはじめ、DVDライティングソフト、電子辞書、はがき作成、独自のユーティリティを多数用意している
富士通 FMV LIFEBOOK SH 富士通パソコンFMVの直販サイト富士通 WEB MART
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