「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」に隠された本当の変化:林信行が読み解く(1/5 ページ)

» 2014年09月17日 10時01分 公開
[文:林信行、撮影協力:高野晃輔、fashionsnap.com、チバヒデトシ,ITmedia]

 発売の迫った「iPhone 6」シリーズ。実は例によって1週間ほど先行して使わせてもらっていた。明後日の販売開始前の参考になるか、あるいはかえって迷わせてしまうか分からないが、この場で使い込んでみた所感を紹介できればと思う。

期待通り、そして期待以上の進化

 筆者がモデルチェンジを評価する際には、1つの基準がある。新製品を使って「元の製品には戻りたくない」と感じるなら、それはおそらく正しい進化だ。アップルはその点において、これまで期待を裏切ったことがない。

 1週間試用したiPhone 6シリーズも、おそらく多くの人々の期待値を少なくとも2〜3割は上回る素晴らしいモデルチェンジに仕上がっている。

Photo by Kosuke TAKANO

「iPhone 6」そして「iPhone 6 Plus」(Photo by Kosuke TAKANO)

なんといっても最大の特徴は大きさだが、それはすでにiPhoneを使った人の感想。初めて見る人は、こんな薄いもので、あれだけ色々なことができることに驚かされるかもしれない(Photo by Kosuke TAKANO)

 iPhone 6シリーズといえば、最大の特徴は画面の大型化だ。iPhone 5より、一回り大きくなった「iPhone 6」と、明らかに巨大化した「iPhone 6 Plus」。どちらも製品をパッケージから取り出すと「大きい!」「薄い!」「軽い!」と驚きの3連打を食らわせられる。

 実はその直前、パッケージを見た時に、すでに一発パンチを食らわされている。上箱がiPhone 6本体のシルエットを型押ししただけの真っ白になっており、これまで製品写真を配していた伝統を打ち破っている。40代以上の人は、これを見てビートルズの名盤「ホワイトアルバム」を連想することだろう。

iPhone 6シリーズの箱は真っ白で、側面に書かれた「iPhone」の文字の色(と裏面の印刷)で中身を識別する。ビートルズのホワイトアルバムを連想させる。30代以下の若い人にはなじみがないかもしれないが、ファッションデザイナーのPaul Smithが若いころ、大きな影響を受け「ジャケットも中身も最も革命的」と絶賛しているアルバムだ。4人のビートルズの個性が際立ったアルバムでもある(Photo by Kosuke TAKANO)

 iPhone 4や5が手になじんでいた人には、本体サイズの大型化で使い心地が悪くならないか心配かもしれない。筆者もその1人だった。だが、無用の心配だった。

 もちろん、手の大きさの違いによる印象に差はあるだろう。しかし、本記事の作成を手伝ってくれたスタッフの中で、iPhone 6が大きいと不満を漏らす人はついに一人も現れなかった。

 思い出してみれば2年前、画面が縦に伸びたiPhone 5が出た時も、同じ心配をしている人が大勢いた。しかし、いざ使ってみるとほとんど問題にはなっていない。それどころかiPhone 5シリーズに慣れてしまった人が、改めて4シリーズを使うと、その画面のあまりの窮屈さにとまどいを覚えるはずだ。

 iPhone 6は、あの「印象のシフト」を蘇らせる。ビックリするほどの薄さも手伝ってか、iPhone 5ユーザーがiPhone 6に慣れるのは驚くほど早い。そして1度慣れてしまうと不思議なもので、「なんだ、5sとあまり変わっていない」とまで思うようになる。

 そこで改めてiPhone 5を握り直してみると、それまで広く感じていたiPhone 5画面が急に狭く見え、本体がズシリと重く感じてしまう。iPhoneの「正常進化」を体感する瞬間だ。

 大きいのに使い心地がいいことにビックリした後は、バッテリーの持ちに驚かされる。1年使ったiPhone 5sとの比較はフェアではないかもしれないが、同じくらいに使っているつもりでも目に見えてバッテリーの減りが少ない。後述するタイムラプス撮影では、バッテリー残量半分くらいのiPhone 6を1時間くらい撮影させて、途中で切れたらどうしようと心配していたが、いざ撮影を終えるとほとんどバッテリーが減っていなかった。

 そして最後に、その速さに驚かされる。いや、実は使っているときには「やっぱり最新のiPhoneは快適だなあ」くらいの印象なのだが、これがiPhone 5sに持ち変えると実はiPhone 6がかなり高速に動作していたということがボディーブローのように効いてくる。

 何せプロセッサーの性能も向上していれば、通信の速度も圧倒的に速い。LTEも速ければ、Wi-Fiも高速のIEEE 802.11acに対応している。iPhone 6は操作のうえでの快適さも通信のうえでの快適さも向上しているのだ。

iPhone 6を使っているところ。モデルの茂木さんが小顔なこともあり大きく見えるかもしれないが、iPhone 5シリーズのユーザーが使っているとすぐに慣れてしまう大きさ。「大きい!」と感じるのは最初のうちだけだ(Photo by fashionsnap.com)

茂木さんにiPhone 6を使って電話をかけてもらった。iPhone 5シリーズで電話をしているのとそれほど大きな差は感じない。よく見ると、薄さと側面が丸みをおびていることが男性的なiPhone 5シリーズと対照的だ(Photo by fashionsnap.com)

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