3月から5月にかけては、省電力でまずまず高性能なMini-ITXマザーがジャンル全体で勢いよく売れた。象徴的なモデルは3月初旬に登場した、ギガバイトの「GA-J1900N-D3V」だ。「Bay Trail(ベイトレイル)-D」世代の4コアCPU「Celeron J1900」をオンボードしたモデルで、1万2000円弱という価格から大いに話題になった。
当時、パソコンハウス東映は「Bay Trail-Dは省電力かつ高性能なSoC型CPUとして注目されていましたが、これまではサーバ向けなどの数万円クラスのものしかありませんでした。1万円ちょっとで使えるということで、かなり好調に売れています」と話していた。なお、コンシューマー向けのベイトレマザーは、2月に下位の2コアCPU「Celeron J1800」を搭載した「GA-J1800N-D2H」が1万円で登場しており、ベイトレブームの下地を作っている。
4月には、Socket AM1に対応するAPU交換タイプのSoCマザーが登場し、小型SoCブームを補強した。対応APUはコードネーム「Kanibi」こと「Athlon/Sempron」で、ラインアップ全体で4000円弱から7000円弱と低価格だ。出足からショップの予想を超える反響があり、BUY MORE秋葉原本店は当時「もっと市場に無視されるかなと思ったら、意外と興味を持ってくれる人が多くて良かったです」と喜んでいた。
その後も、5月には外部チップによりSATA 3.0ポートを搭載したASRockのベイトレマザー「Q1900-ITX」(1万2000円前後)が5月に登場して鉄板的な人気を得たほか、ベイトレ最上位の「Pentium J2900」を搭載した「BAT-I/J2900」(1万5000円弱)がECSから6月に投入されるなど、定番ジャンルのひとつとしてコンスタントにヒットモデルが生まれている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.