高性能なのに超静音――デュアル水冷ゲーミングPC「G-Master Hydro-Z97」これはいいものだ(1/3 ページ)

» 2015年01月28日 14時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
ココが「○」
・遮音ケース+デュアル水冷で超静音
・ゲームをバリバリこなす高性能
・サイコムオリジナル防塵フィルタで大人気ケースをさらにグレードアップ
ココが「×」
・ケースだけで11kg以上と重い
・メモリーカードリーダーを搭載していない
・一般的なPCに比べるとやや高価

リニューアルしたデュアル水冷モデル「G-Master Hydro-Z97」

 サイコムの「G-Master Hydro」シリーズは、CPU/GPUのデュアル水冷システムを導入したゲーミングマシンだ。CPUだけでなくGPUも水冷システムで冷却し、遮音性の高いPCケースに収めることにより、高性能と静音性をきわめて高いレベルで両立している。このたび最新PCケースの導入に伴い、ラインアップをリニューアルした。ここではZ97チップセット搭載モデル「G-Master Hydro-Z97」を取り上げよう。

G-Master Hydro-Z97は、CPUだけでなくGPUも水冷システムで冷却することにより、高性能と静音性を究極レベルで両立した最新のゲーミングマシンだ

ゲームをバリバリ楽しめる基本システム

 基本システムはインテルの第4世代Coreプロセッサーを採用している。標準構成はもちろんだが、BTOの選択肢もゲーミングモデルというテーマを意識した選択肢がそろっている。

 標準のマザーボードは、ASRockのIntel Z97 Expressチップセット搭載マザーボード「Z97 Extreme 4だ。特別派手な装備はないものの、12フェーズのVRMを搭載するなど、品質重視の堅実な設計で定評のあるモデルだ。BTOではASRockのゲーマー向けマザーボード「Z97 Killer」も選択できる。ゲーマー向けといっても違いは演出面であり、これがなければゲームができないというものではないので、見た目などの好みで選べばいいだろう。

 CPUは、Core i7-4790が標準だ。OC向けのCore i7-4790Kをのぞけば、Haswell Refresh世代の最上位モデル。BTOではCore i5から省電力版を含めて幅広い選択肢が用意されており、予算に応じて選ぶことができる。ゲーミングが主目的ならば、Core i5以上の通常電力版モデルがお勧めだ。ちなみに、評価機にはCore i7-4790Kが搭載されていた。

 メモリはPC3-12800 DIMMを採用する。容量は8Gバイト(4Gバイト×2)、16Gバイト(8Gバイト×2)、32Gバイト(8Gバイト×4)の3種類が用意されている。Corsair VENGEANCE LPを指定することも可能だ。

 ゲーミングマシンの要といえるグラフィックスカードは、GeForce GTX 970搭載カードが標準だ。ほかにもGeForce GTX 980、GeForce GTX 770、GeForce GTX TITAN BLACKといった選択肢も用意されている。水冷システムの威力は高性能なほど強く実感できるだけに標準のGeForce GTX 970か、さらに高性能なGeForce GTX 980を選びたいところだ。

評価機のCPUはCore i7-4790K。第4世代Coreプロセッサーの最上位モデルだ(写真=左)。ゲームマシンだけにビデオカードは重要。評価機ではGeForce GTX970搭載グラフィックスカードを採用している。Maxwellアーキテクチャを採用したNVIDIAのハイエンドGPUである(写真=右)

 ストレージは2.5インチSSDと3.5インチHDDを合計2台まで自由に組み合わせられる。いずれもただ容量が選べるだけでなく、ブランド/型番まで指定することが可能だ。評価機では256GバイトのSSD(Crucial MX100)と1TバイトのHDD(TOSHIBA DT01ACA100)を搭載している。

 光学ドライブは2台まで搭載可能で、DVDスーパーマルチドライブとBD-REドライブをそれぞれ選べる。いずれもLG製とパイオニア製を選択可能だ。そのほか、BTOでは、サウンドカードやTVチューナーカード、無線LANアダプタなどを追加することができるほか、キーボード、マウス、ゲームコントローラーなどの外付けの周辺機器やソフトウェアも同時購入できる。

 OSは標準では付属せず、オプションとなっている。Windows 8.1/Windows 8.1 Pro、Windows 7 Home Premium SP1/Windows 7 Professional SP1/Windows 7 Ultimate(いずれも64ビット版)と5種類のDSP版が選択肢として用意されている。なお、評価機のプリインストールOSは、64ビット版Windows 8.1だった。

デュアル水冷で究極の静音化

 本製品最大の特徴が、CPUクーラーとグラフィックスカードクーラーにメンテナンスフリーの水冷クーラーを導入したデュアル水冷システムだ。

CPUクーラーにはCPUクーラーにはASETEK製の水冷ユニット「550LC」を採用。BTOではCosair H60も選べる。グラフィックスカードにはASETEK製の水冷ユニット「740GN」を独自に組み込んでいる。GPUは標準のGeForce GTX 970のほか、GeForce GTX 980など数種類から選べる

 水冷システムのメリットは、熱伝導の能力が空気の20倍以上ある水(凍結や腐食に対する防止加工をした冷却液)を利用して熱移動を行なうことで、CPUなどの熱源から効率よく熱を移動できるとともに、その移動経路をチューブで自由にコントロールすることができることである。

 PCシステムでいえば、ケースの天面や背面の排気口部分に冷却用のラジエータを設置することで、ケース内部の空気の流れに沿った合理的かつ効果的な放熱が可能になる。そのため、ラジエータを冷却するためのファンの回転速度も最小限に抑えられ、発熱の高い高性能なCPUやGPUを静かに冷却することができる。

 CPUの水冷による冷却はすでによく知られているが、特にゲームマシンにおいては、CPU以上に大きな熱源であるグラフィックスカードの存在が静音化への大きなネックとなる。GPUの省電力機能やファンの回転制御などによりアイドル時は静音にできても、ゲームプレイなどGPU/ビデオカードに高負荷がかかる時はどうしてもGPUファンの回転速度が上がり、騒音が上昇してしまう。

 サイコムのG-Master Hydro-Z97は、CPUだけでなくGPUの放熱にも水冷システムを導入することで、PCシステム(特にゲームマシン)の主要な騒音源であるCPUクーラーとグラフィックスカードのクーラー、両方の騒音をきわめて低く抑えている。

 CPUクーラーにはASETEK製の水冷ユニット「550LC」、ビデオカードにもASETEK製の水冷ユニット「740GN」を独自に組み込んでいる。いずれも冷却ファンはENERMAXの12センチファン「UCTB12」(900rpm)を採用している。BTOではNocutua製12センチファン「NF-F12PWM」を選ぶことも可能だ。ASETEKは一般ユーザーにはそれほどなじみがないかもしれないが、メジャーブランドに多くのOEM供給を行なっている水冷システムのリーディングマニファクチャーであり、性能、品質面には定評がある。

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