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» 2015年07月14日 15時00分 UPDATE

SOHO/中小企業に効く「ドキュメントスキャナ」の選び方(第1回):意外に知らない「ドキュメントスキャナ」の効率アップ機能 (1/2)

紙の書類を効率よくデジタルデータ化するのに欠かせない「ドキュメントスキャナ」。その選び方を紹介する本連載の第1回は、製品の特徴と、法人モデルならではの機能についてチェックする。

[山口真弘,ITmedia]

紙書類のデータ化に活躍する「ドキュメントスキャナ」

 「紙書類のデジタルデータ化」は、ここ数年、個人法人を問わずに加速している。「置き場所を取らない」「検索が可能になる」「紙のように劣化しない」「共有が容易になる」など、さまざまなメリットが理解されるようになったことが、今日の急速なデータ化の引き金になったと言える。

 「スキャナ」の進化および低価格化も、紙のデータ化が一般的になった要因の1つとして挙げられる。従来は専門性の高い製品と位置付けられていたのが、難しい設定なしでワンボタンで使えるレベルにまで進化し、かつ低価格化によって個人レベルでも容易に手が届くようになったことが、ユーザーにとって製品をなじみやすいものにし、それが法人への導入にも好影響を与えている、というのが現状だろう。

 スキャナにはさまざまな種類があり、最近ではスマートフォンの内蔵カメラで撮影してデータ化する方法も認知度を高めつつあるが、紙書類をデータ化する用途で最も多く用いられているのは「ドキュメントスキャナ」だろう。

tm_1507_sc1_01.jpg 紙書類のデジタルデータ化に欠かせない「ドキュメントスキャナ」。スマートフォンやタブレットの普及も、紙書類のデジタル化ニーズを後押ししている。写真のスキャナは個人/SOHOで定番のA4対応モデル「ScanSnap iX500」(PFU)。本連載はより高性能・高機能の法人向けモデルも取り上げていく

 コピー機のように原稿台へ紙を寝かせて読み取るフラットベッドスキャナと異なり、数十枚の書類をトレイにまとめてセットでき、両面を同時に読み取れるのは、ドキュメントスキャナ(シートフィードスキャナ)の大きな利点だ。

 そんなドキュメントスキャナの選び方を紹介する本連載の第1回は、基本的な特徴をはじめ、各社の製品が備えるユニークな機能を見ていこう。製品の購入にあたり、必要な機能を見極めるのに役立てていただければ幸いだ。

フラットベッドや複合機のスキャナとは何が違うのか?

 まずはドキュメントスキャナの利点について、軽くおさらいしておこう。すでにドキュメントスキャナという製品の特徴をある程度把握できており、フラットベッドスキャナなど他のタイプとの違いを理解できている方は、読み飛ばして次のページに進んでいただいて問題ない。

 ドキュメントスキャナの何より大きな利点は、両面を同時にスキャンできることだ。オートシートフィーダ(ADF)に原稿をセットしてスタートボタンを押すことで、表裏それぞれに搭載されたスキャンセンサーが原稿の両面を読み取り、データに変換して保存してくれる。フラットベッドスキャナのように、片面を読み取る度に原稿の表裏をひっくり返す手間は一切かからない。持ち歩きを主目的としたスティックタイプの製品を除けば、ほとんどのドキュメントスキャナは両面読み取りが可能だ。

tm_1507_sc1_02.jpg ほとんどのドキュメントスキャナは両面を同時にスキャンできる。写真の「imageFORMULA DR-P208II」(キヤノン)のように、小型軽量のスティックタイプで両面読み取りに対応する製品も存在する

 複数の原稿をまとめてセットできるのも大きな利点だ。オートシートフィーダ(ADF)にセットできる原稿は、多ければ多いほど、原稿を継ぎ足す回数が少なくて済むので、それだけスキャン作業につきっきりにならずに済む。1度にセットできる枚数は卓上タイプのドキュメントスキャナで50枚程度が標準だが、法人向けの製品ともなると、それをはるかに上回る、バインダー1冊ぶんの書類をまるごとセットできる製品も多い。

 ちなみに多くのプリンタ複合機も、ADFによるスキャン機能を備えているが、ローエンドのモデルでは読み取りが片面だけだったり、あるいは速度が遅いといった問題点がある。その点、ドキュメントスキャナの専用機は、両面読み取りは当たり前、また個人/SOHO向けのモデルでも、1分間に20〜25枚(40〜50面)という高速な読み取りが行える製品も珍しくない。

tm_1507_sc1_03.jpg 複数の原稿をまとめてセットでき、1度に両面を読み取れるのもドキュメントスキャナの特徴だ。写真の「DS-860」(エプソン)は、卓上タイプのスキャナで80枚もの原稿を1度にセットできる

 ドキュメントスキャナは、紙の原稿を美しく読み取るための補正機能も充実している。原稿の色を判別してカラーモードを切り替える「カラー自動判別」のほか、搬送する過程で傾いた原稿を真っすぐにする「斜行補正」、90度回転した原稿を正しい向きに戻す「向き補正」、白紙のページを削除する「白紙スキップ」といった自動補正機能は、どのメーカーの製品でも定番だ。このほか「裏写りの除去」も、個人/SOHO向けモデルに搭載される例が増えている。

法人向けモデルは「性能」も「機能」も異なる

 ドキュメントスキャナは、同じA4対応の製品でも、個人/SOHO向けの製品は3〜5万円程度、一方で法人向けの製品は10〜50万円と、かなりの価格差がある。両者の違いは主に性能面の差と、機能面の差に分けられる。

 「性能面の差」とは、すなわち読み取りのスピードだ。例えば個人向けドキュメントスキャナの定番であるPFU「ScanSnap iX500」は、カラー300dpi時で毎分25枚(両面同時に読み取るので毎分50面)のスピードで読み取りが行える。これでも競合モデルに比べて十分に高速だが、法人向けモデルの「fi-7180」になると、毎分80枚(160面)もの読み取りが可能だ。大量のデータ化を行う場合は、こちらのほうが生産性は圧倒的に高い。

tm_1507_sc1_04.jpg PFUの法人向けモデル「fi-7180」は、毎分80枚(160面)もの読み取りが可能だ

 もう1つの「機能面の差」は、複数のジョブボタンを搭載したり、フラットベッドスキャナと連携して使えるといったハードウェア面での構造の違いによるものに加えて、一度のスキャンで2種類のイメージを出力する機能や、特定の色だけを除外する機能など、ソフトウェアで実現している機能も多い。

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