インテルは、9月2日に第6世代Coreプロセッサー・ファミリーの主要モデルを発表し、順次市場投入することを発表した。これに先立つ8月17日〜19日の3日間、米国のサンフランシスコで開催した開発者向け会議「Intel Developer Forum 2015 San Francisco」の会期中に、関係者が自分で第6世代Coreプロセッサー・ファミリーのベンチマークテストを行えるセッションを設けるとともに、モバイルデバイス向け第6世代Coreプロセッサー・ファミリーのベンチマークテストのスコアも公開した。
IDFのベンチマークテストセッションでは、デスクトップPC向けモデルとして、TDP65ワットのCore i5-6400と、TDP35ワットのCore i5-6600Tのほか、先行して市場に投入していたCore i7-6700Kを用意した。評価用システムの構成は、マザーボードがASUSTeKの「Z170M-PLUS」で、システムメモリとしてDDR4-2133 8Gバイトを2枚、ストレージにはIntel SSD 730 480Gバイトを組み合わせていた。OSは64ビット版 Windows 10 Proを導入している。
なお、この3モデルとも、統合するグラフィックスはIntel HD Graphics 530であったため、ベンチマークテストができる時間の制約から、CPU性能を中心としたものに限ってベンチマークテストを行なっている。
テストを行ったCPUの主要スペック | Core i7-6700K | Core i5-6600T | Core i5-6400 |
---|---|---|---|
Core | 4 | 4 | 4 |
Thread | 8 | 4 | 4 |
Clock | 4GHz | 2.7GHz | 2.7GHz |
Max Turbo Boost Clock | 4.2GHz | 3.5GHz | 3.3GHz |
TDP | 95ワット | 35ワット | 65ワット |
Graphics | Intel HD Graphics 530 | ||
CINEBENCH R15では、TDPに関係なく、CPUのマルチスレッドテストやシングルスレッドテストのスコアが、プロセッサー・ナンバーの“序列”通りとなった。興味深いのは、同じグラフィックスコアで、動作クロックや最大ブーストクロックも同じながら、OpenGLのスコアに違いが生じた点だ。Core i7-6700Kについては、TDPに余裕がある分、グラフィックスコアのブーストがしやすいが、TDP35ワットのCore i5-6600Tが、TDP65ワットのCore i5-6600と比べて高いスコアを示している。この傾向は、ほかのグラフィックス関連ベンチマークテストでも同様で、(時間の制約からCore i7-6700Kでは測定できなかったが)参考として、3DMarkのSky DriverとIce Streamの結果も示しておく。最新のCPU-Zに追加されたCPUベンチマークで計測を行なった結果でも、CINEBENCH同様、“序列”通りの結果となっている。
CPU性能とも密接にかかわるDirectX 12の性能を調べるべく、3DMarkのAPI Overhead feature testを行なった。このベンチマークテストでは、1秒間にどれだけのドローコールを処理できるか示す。グラフィックス性能だけでなく、CPUのオーバーヘッドなども影響してくるため、CPUとグラフィックスコアの両方に高い負荷がかかる。
ここで、ようやくCore i5-6400のTDPの余裕が、シングルスレッド処理におけるドローコール処理性能でCore i5-6600Tを逆転したが、マルチスレッド性能においては、ほかのベンチマークテストと同じく、最下位となっている。グラフィックス性能に関しても、ブーストの効果が“序列”通りになる傾向が見られた。
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