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» 2016年06月15日 06時00分 UPDATE

技術の進歩には、いつも人間の欲求があった:“ヴァーチャル・セックス”は、何を産み出す? 「アダルトVRフェスタ」で最前線にいるクリエイターに聞く (1/3)

「歴史上、ポルノが繁栄しないメディアなど存在しない」――VRブームを迎えた今、水面下で盛り上がりを見せるのがアダルトコンテンツだ。VRは“大人の快楽”にどんなブレイクスルーをもたらすか。国内初となるイベント「アダルトVRフェスタ01」で、アダルトVRの最前線にいるクリエイターたちに話を聞いた。1ページ目はVRの現状、2ページ目以降はアダルトVRに関する話題を取り扱う。

[山口恵祐,ITmedia]

いま、VRが注目を集める理由

 あなたは黒い箱のような形をしたゴーグルを頭にかぶり、空間に向かって顔の向きを変えたり手を動かしたりしている光景を見たことがあるだろうか。2016年に入ってから「VR(ヴァーチャル・リアリティ)」という言葉をさまざまなメディアが取り上げており、一度は耳にしたことがあるはずだ。

ゴーグル型のVR HMD 現状のVRは、ゴーグル型のVR HMDを装着して楽しむ

 VRとは、いわゆる「仮想現実(または人工現実感)」と呼ばれるものだ。今話題になっているのは、人間の両眼をゴーグル型のVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で覆って外部の視界をシャットアウトし、顔の向きに合わせて視点が動く360度映像を見せるものだ。他にもセンサーやコントローラーによって自身の手を3D空間上に表示して物体を操作したり、部屋の中に位置トラッキング用のセンサーを設置することで実際に体を動かしてVR空間を移動したりできるものすら登場している。これらによって、ユーザーは映像の中に自分が存在しているかのような没入感を得られるのだ。

 「顔を向けた方向が見える、自身の手を動かす」――現実では当たり前のことが、ゲームやビデオの世界でも既に実現可能になった。

360度、顔の向きに合わせた映像が表示されるVR HMD

 なぜ、急にVRへ関心が集まるようになったのか。それは一般消費者が対応デバイスを手に入れられる環境が整ったことにある。米Oculus VRが開発したVR HMD「Oculus Rift(オキュラスリフト)」は、2013年に開発者向けキットが登場してから数回のモデルチェンジを経て、2016年3月に製品版の出荷を開始した。2015年3月に初めて発表された台湾HTCの「HTC Vive(エイチティーシー・バイブ)」も4月に製品版が発売するなど、続々とハードウェアが登場しているのだ。

Oculus RiftHTC Vive 「Oculus Rift」(写真=左)と、「HTC Vive」(写真=右)

 これらのVR HMDは、ハイスペックなWindows PCに接続して使用する製品だが、もっと身近なものではスマートフォンを利用する製品も存在する。既に発売中の「Gear VR」は、SamsungとOculusが共同開発したVR HMDで、GALAXYスマートフォンをGear VR本体にセットして利用する。スマートフォンが処理を担うことで、高価な機材を必要とせず、それでいてハイエンドVR HMDに引けを取らない本格的なVRを堪能できる。

Gear VR スマートフォンをディスプレイとして利用する「Gear VR」

 米Googleは、Androidスマートフォン向けVRプラットフォーム「Daydream」を発表した。スマートフォンを使ったVRは今後も認知が拡大する傾向にある。さらに言えば、その導入ハードルの低さから、スマートフォンがVRコンテンツを楽しむデバイスのメインストリームとなる可能性すら秘めている。

 日本人にもなじみのある“プレステ”にもVR対応製品が登場する。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、プレイステーション 4(PS4)用のVR対応ヘッドマウントディスプレイ「PlayStation VR」(PS VR)を10月13日に発売する予定だ。ポリフォニー・デジタルのレーシングシミュレーター「グランツーリスモ」など、有名タイトルが既にPS VR対応を表明しており、VRの認知度はPS VRによって飛躍的に向上すると筆者は予測している。

PS VR 「PlayStation VR」(PS VR)

VR普及の鍵は“コンテンツ”次第

 現状を並べただけでもVRに関する情勢は非常に活発だ。テクノロジー系の展示会はもちろん、おもちゃショーですらVR関連の展示が席巻しており、テーマパークや遊園地においてもアトラクションにVRを採用するところが増えてきた。エンターテインメントにおける革新が今まさに起きようとしているのは間違いない。むしろ、エンタメ以外の分野ですら、VRを無視することができない状態である。

 VRを楽しむ土壌が整った今、次に重要となるのが“VRコンテンツ”だ。「実際にその場にいるような感覚」を味わえるのがVRの醍醐味(だいごみ)であり、現状はこれを生かしたコンテンツが多数を占める。VR HMDを装着さえすれば、白熱するスポーツシーンのさなかに身を置いたり、ライブ会場でアーティストの演奏を最前列どころか同じステージ上で楽しんだりすることすらできる。では、これをアダルトの世界に持ち込んだらどうなるか。

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