月3ドルのコンテンツ売上で利益率20%――アナリストが「Kindle Fire」のビジネスモデルを分析

» 2013年01月17日 19時34分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 日本でも2012年末に発売されたAmazonのタブレット「Kindle Fire」。Amazonはハードウェアを通じてコンテンツから収益を得るための“サービス端末”と位置づけており、端末そのものは赤字という調査もある。だが、利益率20%を達成するためには、各端末が月3ドルを売り上げればいいという計算をABI Researchがはじき出している。

 Amazon Kindleは、2011年秋にAmazonが米国市場で発売したAndroidベースのタブレット。200ドルを下回る価格設定が好評を博し、タブレット市場におけるAndroidのシェアの底上げに大きく貢献した。Amazonは販売台数を公開していないが、同社CEOのジェフ・ベゾス氏は2012年9月の「Kindle Fire HD」発表時に、米国でのシェアが22%であることを明かしている。

 Kindle Fireの登場時にIHS iSuppliが原価を201.7ドルと試算しているように、AmazonはKindle Fire単体で収益を得るビジネスモデルを採用していない。Amazonが展開する電子書籍、音楽、アプリといったコンテンツやサービスの利用を促進する端末という位置づけだ。ABI Researchの今回の試算では、このようなコンテンツやサービスの売上を、各端末が製品ライフサイクルの間に毎月3ドル得られれば、Kindle Fireの利益率は20%に達するという。Kindle Fireユーザーがアプリやコンテンツを購入する可能性は高いことから、AmazonがKindle Fireで採用するビジネスモデルは「実行可能な戦略」とABI Researchは評価している。

 さらには、「今後5年の間にモバイルハードウェアにおける“イノベーションのプラトー(停滞)期”がやってくると予想されるが、Amazonのビジネスモデルはこの時期に有利に動く」と同社のアーポ・マーカネン(Aapo Markkanen)氏はコメントしている。

 なお、Amazonはアプリ戦略では「Amazon Mobile」「Cloud Drive」「Price Check」などのモバイルアプリを主要なOS向けに公開しており、Kindleを含むモバイル端末でのAmazonアプリの累計ダウンロード数を1億8000万と見積もっている。マーカネン氏はAmazonのサービスデバイスとマルチOSアプリ戦略について、「Kindle Fireは新規市場に積極的に打ってでていると思われているが」としながら、プラットフォームの覇者がユーザーと近い関係を持つポストPC時代に向けた「守りの戦略だ」と分析している。

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