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» 2012年08月03日 22時06分 UPDATE

キーワード解説:キーワード解説「電費」

自動車の性能を示す重要な指標の1つに「燃費」がある。燃料であるガソリンをどれくらい効率良く利用して走行するかを示す指標だ。では、電気自動車の「燃費」はどのように示すのだろうか。電気自動車の効率の良さを示す指標が「電費」だ。

[笹田仁,スマートジャパン]

 日本では一般に電費を「交流電力量消費率」で表記する。これは、1kmを走ったときに消費する電力量を示す。単位はWh/km(ワット時/キロメートル)。国土交通省が認可する電費性能もこの指標で示す。

 交流電力量消費率は値が小さいほど、少ない電力で長く走ることを示す。例えば、現在国土交通省が認可している電気自動車の交流電力量消費率を比較すると、三菱自動車工業の「i-MiEV」が110Wh/km。日産自動車の「リーフ」が124Wh/km。本田技研工業の「フィットEV」が106Wh/km。これらの中で最も少ない電力で長く走る、つまり電費が良いのはフィットEVということになる。

 電気自動車の性能を示す指標としてはほかに、「一充電走行距離」が挙げられる。一充電走行距離は、満充電状態から蓄電池に充電した電力を使い切るまでに走行できる距離を示す。

 先に述べたように交流電力量消費率は、1km走るために必要な電力量を示す。この値に一充電走行距離を乗算すると、満充電状態から電力を使いきるまで走ったときに、どれくらいの電力を消費するかが分かる。

 一充電走行距離を走り切るときに消費する電力量は、電気自動車の蓄電池の蓄電容量と一致すると考えてしまうことがあるが、一致しない。例えば、フィットEVの交流電力量消費率である106Wh/kmに、一充電走行距離である225kmを乗算すると23850、つまり23.85kWhとなる。フィットEVの蓄電池の蓄電容量は20kWh。一充電走行距離を走り切るときに、蓄電池の蓄電容量以上の電力を消費している計算になる。

 これは、電気自動車ならではの特長を表している。電気自動車は走行しながら発電しているのだ。運転者がブレーキをかけて停止しようとするとき、普通にブレーキをかけた場合は完全に停止するまで車輪は空回りを続ける。電気自動車は車輪が空回りするエネルギーを利用して発電する機能を備えている。

 この機能は一般に「回生ブレーキ」と呼ぶ。電気自動車の電費を向上させる方法としては、車体を軽くするなど、ガソリンエンジン車と共通する方法もあるが、回生ブレーキの効率を上げるという方法も大きな効果をもたらす。

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