三菱自動車工業の「i-MiEV」、日産自動車の「リーフ」に続いて、本田技研工業から日本車として3台目の電気自動車(EV)「フィットEV」が8月末に登場する。このフィットEVが日本最高の電費性能を記録したことがわかった。
本田技研工業は2012年7月23日、同社が今夏の発売に向けて準備をしているEV「フィットEV」日本仕様車(図1)が日本最高の電費性能を達成したことを発表した。JC08モードの交流電力量消費率は106Wh/km、一充電走行距離は225km。どちらの値も国土交通省から認可を受けた。
交流電力量消費率は、1km走行するとどれくらいの電力を消費するかを示す指標であり、値が小さいほど効率が良いということになる。一充電走行距離は、蓄電池を満充電した状態で、どれくらいの距離を走れるかを示す。
図2に、フィットEV、リーフ、i-MiEVの性能を比較した表を示す。この表を見るとフィットEVの電力効率の良さが分かる。3車種の中で最も蓄電池の容量が大きいのはリーフ。容量24kWhの蓄電池を搭載している。一方、フィットEVの蓄電池の容量は20kWh。それでも、一充電走行距離はフィットEVの方が25km長い。
本田技研工業によると、この差は新開発の「電動サーボブレーキシステム」によるところが大きいという。EVは運転者がブレーキをかけて減速するとき、タイヤの回転でモーターを回して発電する。電動サーボブレーキシステムは、自動車が停止する直前まで発電することを可能にしたシステムだ。
フィットEVの販売は8月下旬に始まる予定だが、当面は自治体や企業に向けたリース販売という形で提供する。同社はリースでのみ提供する理由として、充電器の設置が進んでいないことと、ガソリン車に比べると走行距離がまだまだ短いことを挙げている。
同社は燃料電池車「FCXクラリティ」を利用して住宅に電力を供給する実験を続けているが、フィットEVではこのようなシステムを提供する予定はないとしている。
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