ガーナの次は「日本」へ上陸、太陽電池で動くノートPC自然エネルギー

太陽光下で2時間充電すると8〜10時間利用できるノートPC「SOL」。電力事情の良くないアフリカのガーナ向けに開発されたPCだ。開発元のカナダWeWi Telecommunicationsは市場戦略を変更し、ガーナの次に日本向けに販売することを決定、2013年8月から販売を開始した。

» 2013年08月23日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 電力事情が心もとないアフリカ西海岸の国「ガーナ」。同国に通信事業の営業所を開設したカナダWeWi TelecommunicationsのCEO、David Snir氏は、ガーナの国情に気付き、同国に向いたノートPCの開発に取り組んだ。それが、太陽電池で動作する「SOL」だ(図1、関連記事)。

図1 SOLを持つSnir氏。出典:WeWi Telecommunications

 同社はガーナ市場にSOLを2万台出荷し、その後、欧米で高付加価市場を狙うとしていた。例えば、軍用機器向けや旅行者向けだ。同社は軍のシステム開発なども手掛けており、防水仕様の「SOL Marine」などを開発中だ。

 しかし、同社は市場戦略を変更。ガーナの次に日本市場へSOLを投入することを決めた。Snir氏は発表資料の中で以下のように語っている。「はじめまして日本の皆さん。近年の自然災害は、あらゆる環境が絶対安全ではないことをわれわれに立証いたしました。人々はあらゆるリスクに対して日常の準備を怠るべきではありません。そのことは日本の皆さまが体験され、実感されたことと思います。ガーナ共和国に続き、世界で二番目に日本の皆さまにわれわれのサバイバルPC、SOLシリーズをご紹介できることを光栄に思っています」。

 311以降、防災用品市場が拡大し、停電時に利用できるさまざまな機器が注目を集めた。現在は節電に役立つ製品が人気だ。同社の戦略は日本市場をよく捉えている。

切り離し充電も可能

 SOLの最大の特徴は展開式の太陽電池を内蔵しており、太陽光下に2時間置くことで、その後8〜10時間利用できることだ。太陽光下でそのまま利用することもできる。さらに太陽電池モジュール部とバッテリーを本体から取り外して、単独で充電可能だ(図2)。

図2 側面から見たSOL。出典:WeWi Telecommunications

 製品の仕様は以下の通り。OSはLinuxディストリビューションの1つ「Ubuntu 12.10」。13.3インチ型の液晶ディスプレー(1366×768画素)を利用できる。プロセッサはIntel Atom D2500、メモリは標準で2GBが付属し、4GBまで増設できる。HDDの容量は320GB。無線接続機能として無線LAN(802.11b/g/n)とBluetooth 4.0、3G/4G World/multimode LTEが利用可能だ。GPSも内蔵する。

 2013年8月22日に予約の受付を開始した。出荷を開始するのは2013年12月だ。日本市場で販売するSOLは2機種ある。PCとしての性能は同じだが、一方は防水仕様(SOL Marine)となっている。防水仕様ではないSOLの価格は2013年8月末までに予約した場合3万7800円、それ以降は4万2800円。防水仕様は同じく4万2800円と4万7800円だ。ゲッコー・アンド・カンパニーが国内の販売代理店となり、直接販売で対応する。

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