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» 2013年11月15日 13時00分 UPDATE

スマートシティ:廃棄物の埋立処分場がメガソーラーに、3200世帯分の電力を供給

大阪湾岸に広がる3つの大きな埋立地の1つに、発電規模が10MW(メガワット)のメガソーラーが完成した。転用が難しい廃棄物の埋立処分場をメガソーラー事業に活用したうえで、蓄電池や超電導ケーブルを組み合わせた先進的なスマートコミュニティの実証事業にも利用する計画だ。

[石田雅也,スマートジャパン]
yumeshima0_sj.jpg 図1 夢洲の所在地。出典:大阪信用金庫ほか

 大阪市の夢洲(ゆめしま)は隣接する舞洲(まいしま)や咲洲(さきしま)と合わせて、大阪湾岸に広がる再開発地区の中核を形成している(図1)。

 市の中心部から最も離れた位置にある夢洲は産業・物流の拠点に位置づけられて、一部は廃棄物の埋立処分場として使われてきた。埋め立てが完了した後も長期間にわたって通常の土地として利用することが難しく、環境貢献を目的にメガソーラーの建設に至った。

 大阪市が15万平方メートルの土地を提供して、三井住友グループを中心とする9社の企業連合が事業に参画した。さまざまな企業が連携して“ひかりの森”を作る発想から「大阪ひかりの森プロジェクト」と命名。2012年11月に着工して、1年後の2013年11月1日に発電を開始した。

 プロジェクトの中核になるメガソーラーは発電能力が10MW(メガワット)の大規模な設備である(図2)。一般家庭で3200世帯分の電力を供給することができる。関西電力に売電した収益は参加企業の出資比率に応じて分配するほか、大阪市にも寄付して環境教育などに役立てる方針だ。

yumeshima1_sj.jpg 図2 「大阪ひかりの森プロジェクト」の中核になるメガソーラー。出典:大阪信用金庫ほか

 このプロジェクトは政府による「関西イノベーション国際戦略総合特区」の認定事業でもある。国から建設維持管理費の利子補給を受ける一方、大阪市からは地方税の優遇措置を受けている。埋立処分場は通常の土地よりも建設や維持管理にコストがかかるためだ。

 さらに特区の取り組みとして「湾岸部スマートコミュニティ実証によるパッケージ輸出の促進」をテーマにした実証実験の計画がある(図3)。メガソーラーを含めて再生可能エネルギーによる電力を大型の蓄電池で安定化させて、超電導ケーブルや直流配電ネットワークを使って損失の少ない送電方法を試みる。

 特区の狙いは関西で蓄積された技術を生かして国際競争力のある産業を育成することにある。夢洲のプロジェクトでは再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせた自立型の電力インフラを海外へ輸出できるようにすることが最終目標になる。

yumeshima2_sj.jpg 図3 夢洲地区のスマートコミュニティ実証事業。出典:大阪市計画調整局

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