沖縄・石垣島に2MWのメガソーラー、石油火力の依存度を引き下げる自然エネルギー

世界的にも貴重なサンゴ礁に囲まれた沖縄県の石垣島では、現在3つの火力発電所が稼働していて、いずれも燃料は石油だ。美しい自然環境に見合う再生可能エネルギーの導入が望まれるなか、石垣島で初めてのメガソーラーの建設が1月25日に始まった。6月から運転を開始する。

» 2014年01月27日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 沖縄本島から南西に400キロメートル離れた八重山諸島の中心が石垣島である。島内には沖縄電力の火力発電所が3カ所にあって、周辺の島々にも電力を供給している(図1)。火力発電に使う燃料は石油(重油)で、CO2排出量が多いうえに価格も高い。

図1 石垣島を中心とする八重山諸島の電力ネットワーク。出典:石垣市企画部

 「日本最南端の自然文化都市」を標榜する石垣市は2013年6月に「エコアイランド構想」を発表して、再生可能エネルギーの導入拡大策に乗り出した。その1つがメガソーラーの誘致である。第1弾のプロジェクトが島の南東部にある白保(しらほ)地区で決まり、1月25日から工事が始まった(図2)。

図2 「日建ハウジング石垣白保太陽光発電所」の完成イメージ。出典:日建ハウジング

 メガソーラーの発電規模は2MW(メガワット)で、6月1日に運転を開始する予定だ。年間の発電量は240万kWhを想定していて、一般家庭で700世帯分の使用量に相当する。事業者は那覇市に本社がある不動産会社の日建ハウジングである。

 一方で現在の主力電源である3カ所の火力発電所は合計すると8万8000kW(88MW)の電力を供給することができる。1カ所のメガソーラーから供給できる電力は比較にならないほど少ないが、環境負荷の大きい石油火力に対する依存度をわずかでも引き下げる効果はある。

 石垣市はエコアイランド構想のもとで、太陽光のほかにも太陽熱、風力、小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを生かした発電設備の誘致を推進していく方針だ。さらに波力・潮流・海洋温度差といった海洋エネルギーに加えて、地域の特産物である糖蜜・果実・海産物を活用した発酵水素エネルギーの導入にも取り組む。

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