電気料金の値上げが販売量を減らす、東京は前年比5.2%減、関西は5.1%減電力供給サービス

2013年12月に電力会社10社が販売した電力量は、沖縄を除いて軒並み前年比で減少した。地域別に見ると電気料金の値上げの影響が顕著に表れていて、減少率が低かったのは値上げを実施していない中部・北陸・中国の3社だった。値上げが利用者の節電対策を促進している。

» 2014年02月03日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 震災後に電気料金を値上げした電力会社は2013年9月に実施した北海道・東北・四国の3社を加えて合計6社にのぼる。各社ともに12月の販売電力量が前年を大幅に下回ったことが、電気事業連合会の発表で明らかになった。

 前年の12月と比べて減少率が最も大きかったのは北海道の5.5%で、次いで東京の5.2%、関西の5.1%の順に並ぶ(図1)。電力のような公共サービスで月間の販売量が前年から5%以上も減少するのは、気温の変動だけが理由ではないと考えられる。電気料金の値上げが企業や家庭の節電対策を促し、電力の使用量を低減させたことは間違いない。

図1 電力会社10社が2013年12月に販売した電力量の対前年伸び率(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 というのも、まだ値上げを実施していない中部・北陸・中国の3社は低い減少率でとどまっているからだ。特に企業向け(特定規模需要)の販売量は3社ともに前年を上回っている。一方で北海道・東京・関西・四国の4社は企業向けの販売量も減少した。

 こうした傾向は今後も続き、電力会社が想定しているような販売量と売上になる可能性はゼロに近い。価格を上げれば需要が減るのは世の中の常識である。規制に守られてきた公共サービスにも市場原理は働く。電力会社が商売のあり方を見直さない限り、顧客離れは止まらない。

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