太陽光発電システムが全国に広がり始めたことで、素材になる太陽電池の出荷量が急増している。2013年1〜12月の太陽電池モジュールの出荷量は前年から3倍に増えて750万kWに達した。品種別では価格の安いシリコン多結晶タイプの伸びが大きく、出荷量全体の半分以上を占めている。
太陽電池の市場は国内生産と海外生産に分けることができ、2013年は海外生産品が大幅に増えた。国内生産品の出荷量が前年比で2倍だったのに対して、海外生産品は5倍以上の伸び率を示して国内生産品を上回った(図1)。太陽電池は円安になっても海外で生産するメリットが大きいようだ。
太陽光発電協会が40社の太陽電池メーカーを対象に調査した結果をまとめた。品種別ではシリコン(Si)を使った多結晶タイプが出荷量全体の54%を占めて最も多く、次いで単結晶タイプが33%、薄膜タイプなどが13%になっている。
用途別に見ると、非住宅用の増加が目立つ。直近の2013年10〜12月の出荷量のうち7割以上が非住宅用で、そのほとんどが電力会社の送配電ネットワークに接続(連系)して使われている(図2)。住宅用の太陽電池も全量が連系の状態にある。固定価格買取制度を通じて電力を売電する用途に使われていることがわかる。
さらに住宅用の太陽電池モジュールには発電効率の高い単結晶タイプが多く使われる一方、非住宅用では価格の安い多結晶タイプを利用するケースが多い傾向も見てとれる。引き続いて2014年も太陽電池の効率向上と価格低下の相乗効果によって、出荷量(出力ベース)が増えていくことは確実だ。
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