日本最大82MWのメガソーラーが大分で運転開始、売電収入は年間35億円にもスマートシティ

大分市の臨海工業地帯で日本最大のメガソーラーが運転を開始した。発電能力は82MW(メガワット)に達して、「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の70MWを上回った。年間の発電量は一般家庭で2万4000世帯分になり、売電収入は年間35億円にのぼる見通しだ。

» 2014年04月24日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 エネルギー事業を拡大する丸紅グループが、別府湾に面した105万平方メートルの土地に「大分ソーラーパワー」を完成させた(図1)。82MW(メガワット)の発電能力は、2013年10月から稼働中の「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」(70MW)を抜いて日本で最大の規模である。さらに風力発電の「新出雲風力発電所」(78MW)も上回り、再生可能エネルギーの発電設備としても国内最大だ。

図1 「大分ソーラーパワー」の全景。出典:丸紅

 年間の発電量は8700万kWhを見込んでいる。一般家庭の電力使用量に換算して2万4000世帯分に相当する。工事を開始したのは2013年3月で、それ以前に設備の認定を受けているため、固定価格買取制度の2012年度の買取価格(1kWhあたり40円=税別)を適用できる。想定通りの発電量になれば、年間の売電収入は約35億円に達する。買取期間の20年間にわたって九州電力に売電する予定である。

 メガソーラーの建設は日立製作所が請け負い、稼働後20年間の保守サービスを提供する契約も結んだ。日立のデータセンターから24時間の遠隔監視を実施して、障害発生時にも迅速に対応できる体制をとる。さらに日立の中央研究所が開発した太陽光モジュール故障監視アルゴリズムにより、通常の監視技術では警報が発生しないレベルの劣化や故障についても検出できるようにした。

 大分ソーラーパワーは当初2014年4月末に運転を開始する計画だったが、工事が約50日も早く完了したため、3月12日から発電を開始していた。発電設備の基礎工事に型枠を設置しないコンクリート連続打設工法を採用したことによって、工期を短縮することができた(図2)。

図2 太陽光発電設備のレイアウト。出典:日立製作所

テーマ別記事一覧

 太陽光   都市・地域 


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.