さいたま市にネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、2種類の電気自動車を活用スマートホーム

電力と熱を自給自足できる「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」に向けた実証実験が、さいたま市で始まった。ホンダの電気自動車から住宅に電力を供給するほか、車庫にはワイヤレス充電器を備えて利便性を高める。太陽光発電や蓄電池、窓やブラインドの自動開閉機能も導入する。

» 2014年05月26日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 新しい実証実験ハウスはホンダが2012年からスマートハウスの開発に取り組んできた場所に建設した(図1)。今回は東芝と積水ハウスを加えた3社共同のプロジェクトで、4人乗りと2人乗りの2種類の電気自動車を利用するほか、スマートメーターや蓄電池、二世代住宅を対象にしたエネルギー管理システムなどを導入した。

図1 「実証実験ハウス」の全景。出典:積水ハウス、東芝、本田技研工業

 2020年に向けて電力と熱を自給自足できる「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の実用性を検証することが目的になる。電気自動車はホンダの「フィットEV」と「MC-β」を使い分ける。フィットEVには車庫に設置したワイヤレス充電器から電力を供給できるようにした。所定の位置まで自動運転で駐車できるシステムも導入して利便性を高めた。

図2 超小型電気自動車「MC-β」。出典:本田技研工業

 一方の「MC-β」は2人乗りの超小型電気自動車で(図2)、ホンダがさいたま市のほかに沖縄の宮古島などで社会実験に利用している。新しい実証実験ハウスには、MC-βから住宅に電力を供給する「V2H(Vehicle to Home)」のシステムも備えた。太陽光発電や蓄電池と併用しながら、家庭内の電力使用量を平準化することができる。

 実証実験ハウスは二世代住宅になっていて、親世帯と子世帯のあいだで電力の需給状態を最適化する。スマートメーターやエネルギー管理システムを使ってデマンドレスポンスにも対応できる。ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを実現するためには空調や断熱対策も重要になる。窓・ドア・ブラインドの自動開閉機能のほか、壁面緑化の効果も検証する予定だ。

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