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» 2014年06月11日 07時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:停電でもモノレールを自力で走らせる、大容量の蓄電設備から電力を供給

東京都心と羽田空港を結ぶ「東京モノレール」が自社で運営する2カ所の変電所に大容量の蓄電設備を導入した。停電が発生して複数の電車が駅のあいだに停止しても、蓄電設備から供給する電力で最寄りの駅まで自力で走行できるようになる。上空を走るモノレールには欠かせない災害対策だ。

[石田雅也,スマートジャパン]
tokyomonorail1_sj.jpg 図1 東京モノレールの車両。出典:東京モノレール

 3年前の東日本大震災の直後には広範囲に停電が発生して、数多くの電車が駅のあいだに止まったまま動けなくなってしまった。地上を走る電車であれば、乗客は車両から外に出て避難することができる。しかし上空を走るモノレールでは避難するのも簡単ではない(図1)。レールに異常がなければ、最寄りの駅まで自力で走行できることが望ましい。

 そこで問題になるのは、電車を走らせるための電力である。東京モノレールは世界で初めて、停電時にも電車を自力で走行させることができる蓄電設備を導入した。沿線にある2カ所の変電所に大容量の蓄電設備を設置して、約35キロメートルある全線にわたって電力を自給することができる。

 都心と羽田空港を結ぶ東京モノレールには11カ所の駅があり、朝のラッシュ時には最大で17編成が運行する。停電が発生して17編成の電車すべてが駅間に停止した場合でも、蓄電設備から供給する電力で最寄り駅まで自力で走行できることを確認した。

 この蓄電設備は川崎重工業が開発したもので、内部にニッケル水素電池を内蔵している。容量が5.1kWhの電池を40モジュールで1つの蓄電設備を構成する(図2)。合計すると204kWhの蓄電容量になり、2カ所の変電所の設備を合わせて408kWhの電力を充電することが可能になる。

tokyomonorail2_sj.jpg 図2 鉄道システム用の地上蓄電設備(左)、内蔵するニッケル水素電池モジュール(右)。出典:川崎重工業

 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」にもニッケル水素電池のバッテリーが搭載されていて、1台あたりの蓄電容量は1.3kWhである。この電力だけで2キロメートル程度を走ることができる。単純な比較はできないが、東京モノレールの2カ所の蓄電設備の容量はプリウスで約300台分に相当する。

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