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» 2014年09月02日 15時30分 UPDATE

スマートハウス:停電対応エネファーム、マンション全戸不安なし

阪急不動産は神戸市にエネファーム対応マンションを立ち上げる。各戸の光熱費が30%減る見込みだ。全戸に自立機能が付いたエネファームを導入するのは全国でも初だという。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20140902Hankyu_map_250px.png 図1 神戸市西区とマンションの位置

 家庭用燃料電池システム「エネファーム」を全戸に備えたマンションが登場する。全て自立運転機能を備えたエネファームであり、国内初の事例だ。エネファームの導入により、入居者の光熱費が約30%減る見込みだという。

 導入先は「ジオ西神中央」(神戸市西区竹の台)。地上10階地下1階、総戸数205戸のマンションだ(図1、図2)*1)

*1) 神戸市営地下鉄西神・山手線「西神中央」駅から徒歩4分に位置する。敷地面積6000.1m2、建築面積3454.25m2、延床面積2万2824.25m2。2014年9月にモデルルームをオープンする予定。

yh20140902Hankyu_mansion_590px.jpg 図2 ジオ西神中央の完成予想図(計画初期のもの) 出典:阪急不動産

暖房と給湯、電力源に役立つ

 導入するエネファームは、大阪ガスの「エネファームtype S」。得られる電力と熱のバランスでは、電力を重視した機種。最大700Wの電力を得、90Lの湯を貯めることが可能だ。固体酸化物形燃料電池(SOFC)を内蔵し、電力と熱を合わせたエネルギー利用率が90%と高い。電力は各戸別に全て利用し、熱は暖房と給湯に役立てる(図3)。

yh20140902Hankyu_enefarm_514px.png 図3 エネファームの機能 出典:阪急不動産、大阪ガス

 ジオ西神中央では、エネファームの設置スペースと停電時の運転に特徴がある。導入するエネファームは本来戸建住宅の屋外に設置する機種だ。マンションには「屋外」がないため、工夫がいる。「玄関周りの柱に沿わせることで、設置スペースを作り出した」(阪急不動産)。

 エネファームは都市ガスなどから電力を生み出すものの、自らの補機を動かすために外部の電力源が必要だった。これでは停電時に心もとない。そこで、自立運転機能が役立つ(図4)。通常時は青い線で示した経路で系統電力が分電盤に向かう。エネファームが発電した電力も分電盤に集められる。

 停電時には系統電力が得られなくなる。停電した瞬間にエネファームが動作していた場合は、自動的にエネファームが自立運転に切り替わり、自立運転専用コンセントに電力を供給する。給湯も可能だ。停電が復旧すると、通常の運転モードに自動的に切り替わる。なお、自立運転専用コンセントに供給される電力は最大350Wだ。

yh20140902Hankyu_blackout_590px.jpg 図4 自立運転機能の動作 出典:阪急不動産、大阪ガス

 同マンションではエネファーム以外にもエネルギー効率を高める工夫が多い。一般のマンションで最も熱が逃げやすいのは窓だ。そこで、断熱性の高いLow-E複層ガラスを用いた(関連記事)。躯体(くたい)に発泡ウレタンフォームを用いた断熱工法も取り入れており、その他の熱の逃げ道も断った。大阪ガスのHEMS「エネルックPLUS」の採用も予定している。このような工夫により、「2013年度第2回国土交通省・建築物省CO2先導事業」に採択、低炭素建物の認定を受けている。このため住宅ローン減税の幅が広いという。

 電気自動車の充電コンセント(共用、1基)や共用部、専有部へのLED照明の設置を進めたため、神戸市建築物総合環境評価制度では「Aランク(大変よい)」を取得している。

 「マンションの屋上部分に出力10kWの太陽光発電システムを導入する予定だ。マンション管理組合の収入になる」(阪急不動産)。

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