歩きながら発電できる太陽電池シート、5時間でiPhoneをフル充電自然エネルギー

重さが100グラムのシート状で、巻いて持ち運べる太陽電池が10月下旬に発売される。薄くて曲げることも可能なアモルファス系のシリコン太陽電池を採用した。出力は最大4.2Wで5Vの直流電力を供給することができる。モバイルバッテリーと組み合わせて蓄電も可能だ。

» 2014年09月26日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 「solamaki」の使用イメージ。出典:みんな電力

 「みんなで電力を創る電力会社」をスローガンに掲げるベンチャー企業が、巻いて持ち運べる太陽電池シート「solamaki(ソラマキ)」を製品化した。シートの大きさは47.5×22.8センチメートルで、重さは100グラムしかなく、肩からぶらさげて歩きながら発電することもできる(図1)。

 太陽光による電源開発や電力小売事業を手がける「みんな電力株式会社」が製品化した。価格は1万9800円(税込み)で10月下旬に発売する。先行して9月27日と28日に岐阜県の中津川市で開催される野外ロックフェス「中津川THE SOLAR BUDOKAN 2014」の会場でも販売する予定だ。

 発電能力は最大で4.2Wになる。スマートフォンなどの充電に使われている直流5VのMicroUSBケーブルで電力を供給する仕組みである。晴天時の日中であれば、1台のiPhoneを5時間程度でフル充電できる能力がある。

 製品パッケージには太陽電池シートのほかに、蓄電用のモバイルバッテリーが含まれている(図2)。小型で軽量にできるリチウムイオンポリマー電池を採用して、重さは132グラムである。蓄電容量はiPhoneのバッテリーで約2台分の5200mAh(ミリアンペア時)あり、太陽電池シートで発電した電力を貯めて夜間や停電時などに利用することができる。

図2 製品パッケージの構成(右上の四角いケースがモバイルバッテリー)。出典:みんな電力

 太陽電池は非結晶タイプのアモルファスシリコンを採用した。一般的な結晶タイプのシリコン太陽電池と比べて、薄い膜状に形成できる特徴がある。フィルム状のシートにも太陽電池を作ることができるため、巻いて使える太陽電池が可能になる(図3)。ただし太陽電池は発熱して高温になる可能性があるほか、濡れた状態で使うと感電の恐れもあり、注意して利用する必要がある。

図3 太陽電池シートを巻いた状態。出典:みんな電力

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